SASUKE、Mega Shinnosuke、竹内アンナ、Ghost like girlfriend……新進気鋭シンガーが集った『Early Noise Night10』レポ
まだ誰も知らないような素敵なアーティストとの出会いは、ひときわ音楽リスナーの心をくすぐるものだ。6月5日に代官山SPACE ODDにて開催された『Spotify Early Noise Night vol.10』は、そんな出会いをくれるイベントといっても過言ではない。
今回で10回目を迎えた当イベントは、世界で2億人以上が利用する音楽ストリーミングサービスSpotifyが主催していることもあり、毎回そうそうたる面々が顔を並べる。Spotify Japanが運営する公式プレイリスト「Early Noise」と連動し、過去にはCHAIやあいみょん、向井太一などが出演を果たしてきた。チケットは前回に続き今回もソールドアウト。1000円という目を疑う価格設定も売れ行きを後押ししていることに間違いないが、かつての出演者たちが軒並み名をあげているということが一番の理由ではないだろうか。この日は、SASUKE、Mega Shinnosuke、竹内アンナ、Ghost like girlfriendとソロ活動で頭角を現しているメンツが肩を並べた。
トップバッターにも関わらず物怖じしないパフォーマンスで空気を掌握したのは、16歳のトラックメイカーSASUKEだ。〈インフルエンザー〉と〈put your hands up〉で韻を踏む「インフルエンザー(2019edit)」からショータイムはスタート。ステージ上で自由に飛び跳ねる姿には、若さゆえの無敵感を感じずにはいられない。軽やかな身のこなしは「STORY」でも健在で、2歳から始めたというダンスのキレも抜群である。「リリースしてない曲をやろうと思います」と宣言し始まったのは、合唱曲のフレーズをサンプリングして作られた「sciencely solution」。曲ができあがっていく工程をオーディエンスに魅せる演出は、音楽が大好きでそれに関わることならなんでもやりたいという彼らしい。代表曲である「平成終わるってよ」では〈平成終わるってよ!〉と盛大なシンガロングを生み出し、ステージを後にした。
Mega Shinnosukeは、キラーチューンの「桃源郷とタクシー」でスタート。こだわり選び抜かれたリリックは、音源ではなく生歌で聴くことでより活き活きと輝く。いきなりの代表曲登場に、会場も1曲目とは思えないほどの盛り上がりを見せた。癖の強い曲をすんなりと聴かせてしまうのは彼のすごさのひとつだが、淡白になりがちな楽曲を魅力的に魅せるのだってお手の物。「憂鬱なラブソング」では爽やかなサウンドを鳴らし、空気の色をガラッと変えた。メロウなリズムの「blue men.」を挟み、ラストソングとなったのはダンスナンバーの「O.W.A」。ジェームス・ブラウンの「Get Up」を彷彿するファンクソングの登場に、会場は再び大きく揺れる。メンバー同士で頻繁にアイコンタクトを取りあい、自身が音を楽しむことで“これが音楽なのだ”と提示して見せた。