夕闇に誘いし漆黒の天使達ライブレポート 全国ツアー「はじめて」初日、白熱の厚木を振り返る
「CR人生」の後、小柳がステージから姿を消すしたかと思えば、地獄の悪者(ともやん)が、感高い声を出して助けを求める女の子(千葉)を襲う寸劇(口上)がスタート、そこにジャスティスマンと名乗るマスクのヒーローが颯爽と登場し、「正義の味方 ジャスティスマン」を披露。
再び小柳がステージに復帰。千葉がエモーショナルなギターを響かせると、小柳も情感たっぷりにフロアに手を伸ばし、「人生は確率論です。その確率が収束したとき、願いは叶います。それを信じて、僕は40万なくしました! でも後悔していません。そんなお金との絆を歌います」と、熱のこもったメッセージを訴えかけ、パチスロをモチーフにした「絆 -kizuna-」 をオーディエンスに届けた。
「Goodbye 卒業」でフロアを揺らし、「卒業したら人は働く、そんなはたらく車に送る曲を」という小柳の言葉から始まった「はたらく君に贈る歌」ではさらにオーディエンスはヒートアップしていく。曲間では「はたらく車とはたらかない車」の仕訳タイムで盛り上がり、最終的に「正直マジでどっちでもいい!」 のコールでオーディエンスの一体感は最高潮に。
「最高すぎて、自分はカッコいいんだと思ってしまいました」と、自分に酔いしれすぎたことを告白する小柳。そして、「もう少しだけ(人差し指と親指をギリギリの幅にしながら)、治安悪くてもいいんじゃない」と、Thunder Snake ATSUGIで最初に披露したという「治安isいい方がE」を畳み掛け、「この厚木をイタリアのピザ屋にして帰ります!」と「君に届くことのない声はイタリアにも届かない 故にミラノ風」を投下、リズムに合わせ、全力でピアを形成するように拳を上空で回すオーディエンスたち。そして本物のピザもフロアに投下され、ラストスパートといわんばかりに、フロアの熱気は加速していく。アウトロで一瞬雪崩が起こり、最後の名乗りで演奏中断するトラブルがあったものの、けが人はなく、治安も無事守られたことを確認すると、「夕闇に誘いし漆黒の天使達でした!」と締めくくられ、ツアー初日は幕(※シャッター)を閉じた。
なお、6月5日にマイナビ赤坂BRITZで行なわれたツアーファイナルでは、12月に1stミニアルバムをリリースすることが発表された。コミック系ラウドバンドバンド、そしてYouTuberというふたつの両輪をフル回転させ、このまま破竹の勢いで進んでいってほしい。今後もライブハウスに足を運び、彼らの轟音に身を任せ、猫に感謝したり、ピザを回したりするのが楽しみだ。
(文=藤谷千明/写真=石川真魚)
アルバム『はじめての夕闇に誘いし漆黒の天使達』
2019年4月3日発売
UUUM-04 ¥3,500(税込)
・収録曲
1. -Intro-
2. アンダーグラウンドパクリシティ
3. 超次元お助けアンドロイド
4. 猫サンキュー
5. SUSHI SONG
6. CR人生
7. 口上
8. 正義の味方「ジャスティスマン」
9. Goodbye卒業
10. 絆-kizuna-
11. はたらく君に贈る歌
12. 君に届かない声はイタリアにも届かない、故にミラノ風
販売は全国のHMV、ヴィレッジヴァンガードにて。
販売情報 https://www.hmv.co.jp/product/detail/9693179