デヴィッド・ボウイの大回顧展をARで堪能! 『DAVID BOWIE is』ARアプリが示す展覧会の未来
デヴィッド・ボウイの72回目の誕生日にあたる今年1月8日、デヴィッド・ ボウイ・アーカイブと株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントによる共同企画として、デヴィッド・ボウイ大回顧展『DAVID BOWIE is』のデジタル・インタラクティヴ版ARアプリがリリースされた。
『DAVID BOWIE is』は、イギリスのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)にて2013年に開催され、その後トータルで世界11ヵ国、 12都市を巡回、 同博物館史上最大の200万人を超える観客動員数を記録した展覧会である。V&Aのヴィクトリア・ブロークスとジェフリー・マーシュによりキュレーションされた同展は、ボウイの衣装や使用楽器をはじめ、手書きのノートやスケッチなど、50年に渡る彼のキャリアを網羅する300点以上の貴重な資料を、彼自身の肉声によるナレーションや、音楽、映像とともに展示するという「体感型」の内容だった。日本では2017年1月8日から4月9日まで、東京・品川天王洲の寺田倉庫G1ビルにて開催され、12万人を動員している。
今回リリースされたスマホARアプリは、AR/VR版のデザイン制作と開発をニューヨークの制作会社PLANETAが担当。『DAVID BOWIE is』の展示内容を、ヴァーチャルで体感できる画期的なものだ(iOS・アンドロイド対応)。
価格は980円。ダウンロードしてアプリを起動すると、画角を調整するためのアイコンが出てくるので、スマホをかざすテーブルとの距離や高さをまず決める。アイコンをタップすると、トップ画面である「ロビー」へ移動、山本寛斎がデザインした『アラジン・セイン』ツアーのステージ衣装が現れ、デヴィッド・ボウイの肉声と、ゲイリー・オールドマンのナレーションが流れ出す。まさに、展覧会のエントランスに立ったような気分だ。
メニュー画面を見ると、「ロンドンの影響」「文化的影響」「コラボレーション」「舞台と映画」など、実際の展覧会と同様に章立てがされており、クリックすればそれぞれのコーナーへと自由に飛ぶことが出来る。例えば「ジギー・スターダスト」の章では、1973年の来日ツアーの際に受け取ったという、あの有名な山本寛斎デザインによる左右非対称のキャットスーツや、同年『アラジン・セイン』ツアーで着用した、同じく山本寛斎デザインによる銀色のボディスーツなど、5体のポリゴンがスマホ画面上に、立体的に現れる。そのうちの一つをタップすると、詳しいキャプションとともにポリゴンが前面に展開。その背後では、実際にその衣装を着たボウイの映像が流れ出す。さらに、ポリゴンを指で左右にドラッグすれば、衣装の裏側まで鑑賞することが出来るのだ。他にも当時のコンサート・チケットや、『ジギー・スターダスト・ショウ』のためのステージ演出のスケッチといった資料も画面上に散りばめられており、それらをタップすれば、やはり詳細なキャプションとともにじっくり鑑賞することが出来る。