年末年始に向けて揃えたい! 映像からサウンドまで、家を映画館に変える最新グッズ
クリスマス商戦も過熱を極め、もう少しすると年越しの鐘が聞こえてくる。ついつい財布のひもが緩んでしまう季節になった。年末年始の長期休暇も近づくなか、「映画館のような環境を自宅でも実現したい」と思うのは、私だけではないだろう。映画ファンにとって、本格的なホームシアターは永遠の夢だが、日本の住宅事情を考えるとなかなか現実的ではない。防音まで考えると、優に100万円以上のコストがかかってしまう。ということで、今回あまり予算をかけず、映画館とまではいかずとも、自宅の鑑賞環境を少しでもアップグレードするアイテムを紹介する。
ホームシアターといえば、まず思い浮かぶのはプロジェクターだ。これがあるだけでいつものテレビとは違った映像が楽しめる。家庭用でも、高いものは100万単位になるので手を出しづらいが、実は比較的安価なものも存在し、Amazonで調べてみると最安で7000円台の商品から発売されている。プロジェクターの一番の魅力と言えば、お手頃に大画面の映像を楽しむことができるところだろう。65インチを超える超大型テレビは本体価格だけで50万円を越え、購入に踏み切るのは容易な判断ではないが、プロジェクターだと80インチや100インチと言った家庭では再現しづらい迫力の映像を楽しむことができる。
だが、やはりAV機器というものは、値段と質がしっかりと比例するものということを忘れてはならない。先ほど紹介したものは確かに映画館のような雰囲気は味わうことはできるが、やはり不安な点はある。プロジェクターはファンを回して可動するため、安価な製品ほど余計な騒音が気になったり、プロジェクター本体の光量が乏しくどこか暗い映像になってしまうという事態も発生する。
また、プロジェクターは、その特性として暗所でないと機能しない。この暗所の構築が、普通の家庭では意外と難しかったりするのだ。映画館では、客電が落ちると暗闇が訪れる。しかし、家庭でカーテンを閉め、明かりを消したところで同じような暗闇を構築することはできない。映画館はスクリーン以外の構造物がプロジェクターの光を反射しないように、インテリアや壁の色合いをデザインしているが、家庭では、机や椅子、部屋においてある家具全てがスクリーンに映る光を反射してしまい、映像が際立たなくなるという事態が起こりうる。こういったデメリットに目を瞑った上で、手軽に映画館気分を味わいたいという方は、ぜひプロジェクターから手を付けることをオススメする。
また値段は跳ね上がるが、こういったものも存在する。ソニーが開発した小型超短焦点レンズを用いたもので、持ち運びが容易くスペースを取ることなく映像を楽しむことができる。
やはり音響にこだわりたい方もいるだろう。映画館でも、爆音上映やDolby Atomosなど音響にこだわった上映は、増えており人気を博している。そのような高価なスピーカーを揃えたサラウンドシステムは非常に魅力的だが、いささか現実的ではない。5.1chでは5台のスピーカーに加え重低音を表現するためサブウーファーを、7.1chの場合更にもう2台のスピーカーが必要になる。経済的問題もそうだが、この量のスピーカーを揃えるならそれなりの部屋の広さが必要となる。まずはサウンドバーから初めて見てはいかがだろうか。
サウンドバーは外付けのスピーカーで、テレビのスピーカーの前に置くだけで、より迫力のある音を楽しむことができる。サブウーファーがついているものを選べば、テレビだけでは再現しづらい重低音を鳴らすことが可能。高級機ともなると、壁に音を反射させることで疑似的にサラウンドシステムを再現するものもある。価格帯も1万円以下から存在し、名の通った有名メーカーでも2,3万円前後で手に入れることができる。
手軽にサラウンドシステムを楽しみたい方は、サラウンドヘッドホンを使うというのも手だろう。実は最近の一部のBlu-rayディスクには、DTS:headphone Xという音響システムが採用されているものがある。ヘッドホン内でサラウンドを再現するために音響調整を施し最適化するといった技術だ。音声特典として収録されており、すでに持っているヘッドホンでも楽しむことができるのだが、自宅用に専用ヘッドホンを買ってみるのも良い。5.1chや7.1ch対応のものから中には9.1ch対応のヘッドホンも存在する。アパートやマンションであまり大きな音を出せない人にはピッタリだろう。
最後になるが、音響や映像にこだわることをせずに、映画館のような体験演出をすることができるものがある。それがこちら。
少しおしゃれなポップコーンメーカーだ。オチもついたところで、締めくくりたいと思う。今年も残り僅か。クリスマス、そして年末から来るべき新年に向けて、奮発した買い物をしてみてはいかがだろうか。
(文=安田周平)