“あの人のゲームヒストリー”第八回:超特急・リョウガ

超特急・リョウガが語る“ゲームにハマったからこそ得られたもの”「僕の青春はオンラインの世界にあった」

 ゲーム好きの著名人・文化人にインタビューし、ゲーム遍歴や現在の活動とゲームの関連性などを聞く連載“あの人のゲームヒストリー”。今回はメインダンサー&バックボーカルグループ・超特急のリーダー・リョウガへインタビュー。過去には『バイオハザード5』でオンラインの世界ランキング最高2位に入ったこともある腕前であり、今年からは自身のゲーム実況チャンネル「ガリゲーch」もスタートした生粋のゲーマーである彼に、ゲーム遍歴と現在の活動につながるポイントなどについて聞いた。(編集部)

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「オンラインの世界ではヒーローになれた」

ーーまずは最初にゲームにハマった時期や、最初にプレイした作品について教えてください。

リョウガ:もともと両親がとてもゲーム好きで、最初にプレイしたのは父がやっていた『ストリートファイターII』でした。当時の僕にはコマンド(技の入力)が難しくて、波動拳が打てなくて、指が水ぶくれになった記憶があります(笑)。しっかりハマったのは、これも両親が好きな『三國無双』シリーズで、僕は『真・三國無双』からプレイするようになりました。

ーーその頃からアクションが得意だったんですね。自分でやりたいタイトルを選ぶようになってからはどうですか?

リョウガ:ゲームボーイアドバンスSPと『ポケットモンスター ルビー・サファイア』をクリスマスプレゼントに買ってもらったのが最初ですね。あまり普段からものを欲しがらないタイプの子供だったのですが、クリスマスや誕生日のような機会に、なんとかお願いして買ってもらうこともありました。ゲームに理解のある両親でもあったので、やりたいタイトルは大体プレイしてきましたし、『PlayStation 3』からは、いろんなものを捨て置いてゲームにのめり込んでいきました(笑)。『バイオハザード』をやり込んだのもこの時期ですね。

ーーリョウガさんといえば『バイオハザード5』のオンラインで世界2位になったというエピソードが有名ですが、ホラーゲームは昔から得意だったんですか?

リョウガ:いえ、苦手でした(笑)。でも、両親がホラーゲームをやっているのを横から見ていて、慣れたところはありますね。それに、ゲーム実況を見ていて耐性がついたところもあると思います。人気実況者のガッチマンさんがホラーゲームのサクサクプレイをしていて、その動画を楽しんでいるうちに怖くなくなったり。

ーーたしかに、リョウガさんとガッチマンさんには近いところを感じました、ホラーゲームなのに叫んだりせず、淡々と解説を交えながらプレイする。それが玄人向きでもあり、ファンも嬉しいという。

リョウガ:本当ですか!? でも、自分で見返すと「淡々としすぎてないかな……」と心配になるんです。

ーーやたら細かい動作がうまい、みたいなのも面白いです。「これは対人戦の動きなので、あまり意味ないですけど」と解説されていたり(笑)。

リョウガ:細かいところまで見ていただいて、ありがとうございます! でも、やってきたのは対人なので、残念ながら本当にストーリーではあまり反映されないんです(笑)。

ーー学生時代のやり込みプレイを考えても、ゲームに理解のあるご両親の影響が大きそうですね。

リョウガ:そうですね。ゲーム番組の『ただいま、ゲーム実況中!!』(テレビ朝日)に出させていただいたときに、ソニーさんからいろんなタイトルをいただいたんですけど、僕がやる前に勝手にプレイし始めて、『No Man’s Sky』では「そこまでやる!?」ってくらいのレベルに達していたりして。家族内でもゲームトークをしますし、僕の実況動画も見てくれていて「ボソボソしゃべりすぎ」みたいなダメ出しもくれます(笑)。

ーーちなみに、『バイオハザード5』にのめり込んでいたとき、ご両親はどんな反応でしたか?

リョウガ:本当に、学校以外の時間はすべてゲームに費やしていたんですけど、意外と止める感じでもなく、戦いの中で成長している僕の姿を見ながら、「そろそろボス出たんじゃない」とか「リロードしなくていいの?」って声をかけてきたりしていました(笑)。

ーー世界ランクに入るほどやり込んでいても、「ゲームばかりして!」と、怒られるようなことはなかったと。「ゲームで得られるもの」も知っているからこその見守り方かもしれませんね。

リョウガ:そうですね。オンラインだといろんな価値観の人と出会いますし、学んだことも多いと思います。『バイオハザード5』はゲームモードが「スレイヤー」「チームスレイヤー」「サバイバー」「チームサバイバー」と4種類あるなかで、僕はひたすら敵を倒してポイントを競う「スレイヤー」のランカーだったんですけど、「スレイヤー」を極めるのって、時間と根気さえあれば誰でもたどり着けるものだと思うんです。

ーー動きを最適化してゲームをクリアする、みたいな感じですよね。

リョウガ:そうやって地道に積み上げていくことの楽しさも知ったし、悪質なプレイヤーと戦って、秩序を守ろうとしたりもして。日本人プレイヤーの中では、「スレイヤー」のフィールドではPK(プレイヤーキラー)が暗黙の了解で禁止されていたんですけど、めちゃくちゃに荒れてしまうこともあったんです。そこで……思い出すと中二病的でむず痒いんですけど、勝手にプロフィールに「PK撲滅活動実施中」なんて書いて戦っていました(笑)。

ーーちなみに、学校にゲーム友達はいましたか?

リョウガ:ゼロに近かったですね。中学校時代はギリギリ数人くらいいたんですけど、高校になると本当にいなくなってきて。でも、オンラインの世界ではヒーローになれたんですよね。それが自分の中でも誇れるものの一つになりましたし、だからリアルでもどこか余裕を持って、冷静になれたりもして。そういう意味では、僕の青春はオンラインの世界にあったのかもしれないです。

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