『まんぷく』や『忘却のサチコ』など、今ドラマで人気の「いっぱい食べる女の子」をYouTuberに見つけてみる
「いっぱい食べる女の子」はるあん
食材、調味料、調理器具、そのすべてに愛とこだわりをもった料理系YouTuber。YouTuberらしくサムネ映えを意識したおっきくて量の多い料理を作るのも特徴的なのだけど、何よりも魅力的なのはほんとうに楽しそうに料理を作って、楽しそうにたくさん食べるところ。
つくづく思うのは、女性のほうが男性より食べることが好きなんだろうなということ(女性は別腹というふたつめのお腹を隠し持っているらしいし)。彼女はまだ高校生だというから、その食への愛が今後どこへつながっていくのかも気になるところだ。BGMや編集のポップさにも惹かれる。橋本愛主演の映画『リトル・フォレスト』のような(食材も含めた)瑞々しさとほのぼの感が楽しい。
「いっぱい食べる女の子」岡奈 なな子
はるあんとはガラッと変わって。大雑把な料理、華奢な体に対して大きすぎる茶碗、大きすぎるひとくち、築45年の元おばあちゃん家で撮っている(住んでいる)という画面背景に感じる懐かしさなど魅力に溢れているYouTuber。
オープニングの一風変わった音楽に合わせて時に軽やかな舞を見せながらショットが次々と変わっていくところなんか、ほかの YouTuberには見たことないタイプでハマる人にはズドンとハマってしまうタイプのそれだと思う。YouTuberといえば視聴者に話しかけることに注力するのが一般的だけど、彼女は無理に話そうとしない。無言で料理を作って、無言でごはんを食べることもよくある(なのに10分以上の動画が多い)。
そんな静かな動画だけれど、見ていると何故だかすごくおなかが空いてくるし、どうしようもなく料理が作りたくなる。極めて庶民派の食材と調味料しか使っていないから、ハードルが低くて真似したくなるんだろうな。雑ではあるけれど一応料理はおいしそうに見えていて、彼女が大口開けて食べることによってさらにおいしく見えるのが、このチャンネルの魅力だと思う。
結局いっぱいごはんを食べている人を見ると、おなかが空いておいしいごはんが食べたくなってしまう。YouTubeではASMR(心地よい音を楽しむ)の食事動画なんかが人気だけど、視聴者は見ていておなかが空いてこないのだろうか。私はその欲に抗えず、夜食に手が伸びてしまいそうだ。
■原航平
編集/ライター。1995年生。映画や音楽、 ドラマに演劇、漫画など、あらゆるカルチャーをむさぼる人生を送りたい。Twitter:@shimauma_aoi
■放送情報
NHK連続テレビ小説『まんぷく』
10月1日(月)〜2019年3月30日(土)【全151回】
作:福田靖
出演:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平/桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子ほか
語り:芦田愛菜
制作統括:真鍋斎
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/mampuku/