ドラゴンを探す旅のなかでは出会いもあるのだが、仲間になる面々もなにかしら隠しごとをしていそうなキャラクターが多い。追手に追われていたエルフィリスは、その理由を一切明かすことはなく、また主人公が契約することとなるミドガルズオルムの森を守る、クラウも自身のことについて語ろうとはしない。謎めいた人物が多いなか、人柄に惚れ込んでついてきてくれたランザーヴのような人物も登場する。

　仲間を増やし、ミドガルズオルムとも契約できたため、いよいよ目的であった「聖片」に触れようとした矢先、また新たな敵が立ちはだかり……。あまり詳細を書くとネタバレになるので、ここでは記載を避けるが、魅力的な登場人物たちと次々に起こる展開に、続きのストーリーが気になってやまなかった。

　本作はアクションRPGだが、操作方法はいたって簡単だ。画面に指を置き、行きたい方向へスライドするとキャラクターが動き出す。タップをすれば攻撃、素早くスワイプすると回避行動ができる。左下にあるスキルボタンを押すとスキルを発動できる。ここまでは直感型のスマートフォン向けアクションゲームでは、よくある操作方法だ。しかし、この『ドラガリアロスト』には「竜化」と呼ばれる、特徴的なシステムを採用している。敵を倒すなどで貯まる「竜化ゲージ」を使用して発動。装備しているドラゴンの姿にわずかな時間変身し、敵へ大ダメージを与えられるのだ。また、ドラゴンごとに使えるスキルやモーションも変わってくるので、いろんなドラゴンに変身したくなってくる。

　クエストに挑むためのパーティーは、4人1組で編成することとなる。こういったパーティーを組むアクションゲームでよくあるのが、メインキャラクターだけを操作し、ピンチになった時はバックヤードに控えているメンバーと交代する、といったパターン。しかし本作は、パーティー全員がマップ上に現れ、敵を攻撃してくれる。

　仲間がオートで動いてくれるわけだが、攻撃を受けすぎてピンチになることもある。そうした場合は、操作キャラクターに変更して一旦避難するといったことも必要になってきそうだ。そして、クエストにはオートモードのほか、1度クリア済みのステージはスキップチケットを使用すればアクションせずにクリアできるなど、周回するのにはありがたいシステムも盛り込まれている。

　また、本作にはマルチプレイも用意されている。キャラクターをひとりだけ参加させて協力するものもあれば、4人1組のパーティーをプレイヤー4人が持ち込める大規模マルチもプレイ可能だ。総勢16人が画面上でわちゃわちゃ戦う姿はなかなかに面白い光景となっていた。回復すると16人全員に反映されるため、とりあえずメンバーに困ったら回復技を使えるキャラクターを入れておけば安心な印象を受けた。

　パーティーを組み、ともに旅をする仲間は主に「召喚」で増やせる。「召喚」で呼び出せるのは、キャラクター、ドラゴン、竜輝の護符の3種類。キャラとドラゴンは先述のとおりで、竜輝の護符は、いわばアクセサリーのようなものと考えてもらえると分かりやすい。キャラには、武器、ドラゴン、竜輝の護符を装備でき、この竜輝の護符はスキルのダメージを上昇させるなどの効果を持っている。そのほかにも、ドラゴンと仲良くなれる「竜の庭」や、キャラクターのステータスなどを上昇させられる「マナサークル」「建設」といったシステムも熟知していくことがストーリーを進める上で重要になってきそうだった。

　先行プレイできたところまででは、物語の全貌がまだまだ見えてこない『ドラガリアロスト』。そのなかでも、ふんだんに使用されているDAOKOの楽曲が世界観を強く支え、オートで動き回る仲間とともに、「アルベリア」の世界を縦横に探検しているという没入感が得られた。高い実績のある2社による完全新作RPGだけに、謎が謎を呼ぶストーリーも、進めるごとに驚きと感動を提供してくれるだろう。間近に迫った配信開始を楽しみに待とう。

■聖☆あべさん
ゲーム・アニメなどエンタメに強いフリーライター。人生の大半を遊びに費やしてきたと自
負している。これまでお世話になってきたコンテンツたちに恩返しするべく、ライターとし
て活動することを決意し、現在進行形で鋭意執筆中。Twitter（@yokato_1110）

■ゲーム情報
『ドラガリアロスト』
ジャンル：アクションRPG
対応OS：iOS/Android
価格：ダウンロード無料 ※一部有料のコンテンツあり
サービス開始時期：2018年9月27日
配信国/配信地域：日本、台湾、香港、マカオ、アメリカ
公式サイト：https://dragalialost.com/jp/
公式Twitter @dragalialost