“誰も死ななくていい、やさしいRPG”『Undertale』待望のNintendo Switch版登場 その魅力を解説

 2018年9月15日、ハチノヨンよりNintendo Switch版『Undertale』が発売された。

 本作は”誰も死ななくていい、やさしいRPG”を謳う作品で、元はPC(Windows、MacOS、Linux)用ソフトで、2015年9月15日にPCゲーム配信プラットフォーム「Steam」で発売。それから2年後の2017年8月16日、家庭用ゲーム機版がPlayStation 4、PlayStation Vita向けにダウンロード専用タイトルとして、海外のほか、日本向けにも展開。関連して、PC版も日本語対応アップデートが実施された。また、2018年5月31日にはPlayStation 4、PlayStation Vita版いずれもパッケージ版が販売され、店頭での購入が可能になっている。

UNDERTALE [Indie World 2018.5.11]

 そして、PC版発売から3年目を迎える9月15日、Nintendo Switch版が発売された。今回はダウンロード版とパッケージ版の同時リリース。また、PlayStation 4、PlayStation Vita同様にサウンドトラックCD、楽譜ブックレットなどの特典を同梱した「コレクターズエディション」も発売。こちらは「Fangamer Japan」専売となる。

何も知らず、真っ白なまま始めることが推奨されるRPG

 本作は地底に広がるモンスター達の世界を冒険していくロールプレイングゲーム、という以上の内容を語ることができない。詳細なシステム、ゲームの流れについて触れると、本作が持つの衝撃性と面白さが薄れてしまうからだ。

 しかし、それで締め括ってしまうと、怪しいゲームと見て取られかねない。故に若干のネタバレもしつつ、なるべく根幹には触れないよう、本作の魅力を四つ、以下に記したい。

ストーリー

 まず、本作で最も大きな魅力として挙げられるのはストーリーだ。あらすじだけなら王道の冒険活劇をイメージしてしまうが、それをいい意味でも悪い意味でも裏切る展開が繰り広げられていく。

 特にゲーム開始間もない序盤、終盤は本作屈指の見所。例によって、詳細は伏せるが、いわゆる世間一般のロールプレイングゲームのイメージを抱いている人ほど、大きな戸惑いを覚えるだろう。

登場キャラクター達

 舞台が舞台だけに、ゲームを進めていくと様々なモンスター達がプレイヤーの前に立ちはばかる。ロールプレイングでモンスターと言えば、冒険の邪魔をしてくる敵だ。しかし、本作はそのイメージに当てはまりつつも当てはまらない、極めて特異な存在となっている。これが何を意味するのかは実際にゲームをプレイしてご覧になって頂きたい。ヒントは本作のキャッチコピーでもある”誰も死ななくていい、やさしいRPG”だ。

戦闘システム

 ロールプレイングゲームということで、当然のように戦闘も発生する。こはネタバレした方が逆に有益なので明かすが、システムはコマンド選択型で、ステータスの優劣で行動順が決まるターン制。ただ、本作には風変わりなコマンドが選べるようになっている。そして、必ずしも戦闘を通じてプレイヤーを育成させる必要が無い。やり方次第では、全くダメージを受けずに戦闘を乗り切れるようになっている。何故、そのようなことができるのか。これもまた、実際にプレイして確かめて頂きたい。

音楽

 本作の制作者で、ゲームデザイン、ストーリーのほぼ全部分を担当したトビー・フォックス氏は、作曲家としても活動する人物だけあって、作中の楽曲はいずれも氏のセンスがいかんなく発揮された仕上がりになっている。特に戦闘曲全般は珠玉の出来だ。

 この部分は本作の中で最も高い人気を博している部分であり、それは日本国内でも単独のオーケストラコンサートが開催されていることからも分かる。今回のNintendo Switch版において、本作に初めて触れるプレイヤーは、是非ともこの部分には耳を傾けてみて頂きたい。PC版当時より、高い人気を博している理由を思い知るはずだ。

 ちなみにオーケストラコンサートだが、9月21日に『UNDERTALE × JAGMO Orchestra Concert:Reprise』が新宿文化センター 大ホールにて開催される。チケットは8月25日より「チケットぴあ」にて販売中なので、興味があれば是非。(※ただし、ネタバレを多分に含むため、ゲームをプレイした上で参加されることを強く推奨する)他にも本作には数多くの魅力があるのだが、これ以上は割愛する。

 身も蓋もないが、直球で言ってしまえば本作は面白いゲームである。そして、唯一無二の驚きと体験が得られるRPGだ。少しでも気になっているのなら、迷わず飛び込んでみよう。

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