V6と関ジャニ∞は“デジタル時代のジャニーズ”を牽引する? 各グループのWebサービスを検証

 こういったWebサービスを次々と行なってきたジャニーズ事務所。そこで気になるのは、「グループごとにWebプロモーションの差異はないのだろうか」ということ。全グループに共通しているコンテンツであるミュージックビデオの公開について、グループごと(コンスタントにCDをリリースしているKinKi Kids〜King & Prince)にレコード会社のHPを調べてみると面白いことが分かった。

 現在、各グループのHP上のアップロード状況は、以下の通り。

・KinKi Kids/直近のライブDVDやCDのスポットムービー
・V6/スポットムービー、MV、特典映像のダイジェスト、ライブ映像など、種類も数も充実
・嵐/確認できず
・タッキー&翼/確認できず
・KAT-TUN/確認できず
・NEWS/直近のCDスポットムービー
・関ジャニ∞/スポットムービー、MV、特典映像のダイジェスト、ライブ映像、CMなど、種類も数も充実
・山下智久/「ビデオ」というコンテンツはあるものの掲載はなし
・Hey! Say! JUMP/新曲MV・メイキングのダイジェスト
・Kis-My-Ft2/舞祭組のライブDVDのダイジェストムービー
・Sexy Zone/直近のライブDVDのダイジェストムービー
・A.B.C-Z/新曲のスポットムービー、舞台DVDのダイジェスト映像
・ジャニーズWEST/新曲の音源のみ、新曲のスポットムービー
・King & Prince/新曲のMV

 こう見ると、グループごとにかなりバラつきがある。もちろん、作品リリースのタイミングなども影響しているはずだが、レコード会社が同じでも違いがあることを踏まえると、やはりグループごとに差異があると推測できそうだ。映像コンテンツが圧倒的に多いのは、V6と関ジャニ∞。この2グループはジャニーズグループの中でもWebサービスを先駆けて行なってきたグループだ。V6はジャニーズ初のアプリゲーム『ラブセン~V6とヒミツの恋~』のリリース、関ジャニ∞はアルバム『GR8EST』収録の楽曲と映像を全て視聴することができるアプリ『GR8ESTアプリ』(現在の『関ジャニ∞アプリ』)の配信など、新しい試みをしてきている。V6と関ジャニ∞は、Webと親和性の高いグループなのかも知れない。

 また、彼らが先行して行ったサービスは、その後の各グループのモデルケースとなる可能性が高そうだ。例えばV6のアプリゲームは、その後、NEWSバージョンとなる『NEWSに恋して』のリリースにもつながっていると思われる。そう考えると、今後V6、関ジャニ∞に続き、多くのグループが映像をHP上で公開していくケースも十分にあり得るだろう。ジャニーズのオリジナルコンテンツを、手持ちのスマホでたっぷりと楽しめるようになる日は近そうだ。

(文=高橋梓)

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