『ジュラシック・ワールド/炎の王国』恐竜たちを現実世界に解き放った技術とは?

 大ヒットシリーズを手がけることとなったバヨナは「真実の世界なのか作り物の世界なのか、観客もよく分からなくなるほどに独特な世界を作り上げることが映画作りの一番の目的だ」と原点に立ち返り、制作に臨んだと話している。その甲斐あって、アニマトロニクスとCGの融合により、観客ですら食い殺される恐怖を感じるリアルな世界が作り出されていた。

 バヨナは、自身が手がけた前作である『怪物はささやく』でもアニマトロニクスを多用しており、その経験を経ての本作に確かな手応えを感じた様子だ。「アニマトロニクスは現実味があるが、使える場面もそれなりに限られている。だからこそ、CGと融合させることによって最大の効果を得られるのだ。本物の恐竜を目撃する体験をリアルに再現するための最良の方法だ」とアニマトロニクスを用いるメリットを語っている。

 大ヒットシリーズの続編という重圧を乗り越え生まれた本作には、映画技術における、ひとつの集大成が詰め込まれている。恐竜たちの細部に注目してみるのも、本作の楽しみ方のひとつだろう。

(文=馬場翔大)

■公開情報
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』
全国公開中
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、コリン・トレボロウ
製作:フランク・マーシャル、パトリック・クローリー、ベレン・アティエンサ
キャラクター原案:マイケル・クライトン
脚本:デレク・コノリー、コリン・トレボロウ
監督:J・A・バヨナ
キャスト:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、B・D・ウォン、ジェームズ・クロムウェル、テッド・レヴィン、ジャスティス・スミス、ジェラルディン・チャップリン、ダニエラ・ピネダ、トビー・ジョーンズ、レイフ・スポール、ジェフ・ゴールドブラム
配給:東宝東和
(c)Universal Pictures
公式サイト:http://www.jurassicworld.jp/

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