ジャーナリスト堀潤が『INNOVATION WORLD』登場 「壊すんじゃなくて、作っちゃえばいい」

堀潤が語る、ジャーナリズムの未来

 J-WAVEで毎週金曜日に放送中の『INNOVATION WORLD』。同番組はAR三兄弟・長男の川田十夢と、AIアシスタントのTommyがナビゲートする“イノベーター発掘プログラム”として、毎週様々な分野のイノベーターをゲストに迎えている。

 8月24日放送回では、ジャーナリストの堀潤を迎え、「ジャーナリズムのイノベーション」をテーマに、今のジャーナリズムの役割や、ジャーナリズムの未来など、現場で取材を続ける堀潤ならではの視点からトークを繰り広げた。

 AIアシスタントのTommyは、冒頭で堀潤の性格診断を行い、"社会的なタイプ"、また"権威に挑むタイプ"として、「権威や伝統を守るよりも、よりよい方向へ変化させる方が良いと考えます」と分析。これに対し堀潤は、「社会運動の現場は(権威を)壊す方に凄い力を入れて、壊れないから疲れ果てて去って行く、というのをよく見ている。なにかを壊すんじゃなくて、作っちゃえばいい。それがアクションだと思う」と、自らの考え方を示す。

 また、ジャーナリズムの現場では近年、ネットとテレビ、もしくはプロと市民といった対立構造ばかりが生まれがちだが、それは非効率で後ろ向きなことであると指摘し、「みんな一緒にやればいい」と提案する。堀潤がNHKを辞めた最大の理由も「ネット的なメディアと伝統的なメディアの橋渡し中間的な役割になればいい。さあ戦って壊すぜ! みたいな呼びかけ一辺倒は嫌だな」という思いからだという。

 今のジャーナリズムの役割については、「被災地取材をしていると、悲しみや悲劇が集約されたような現場に取材が集まりがちで、今を生きながらいろんな課題に直面している現場の報道が少ない」と指摘し、災害を被ったみかん農家を取材に訪れた時の実体験を例に出す。アテンドしてくれた農家は、壊れた道路を自分たちで直し、生き残ってる木を指して「俺たちはこの生き残ってる木のみかんを秋に出荷することが使命なんだよ。秋になったら楽しみにしていて、美味しいみかん出すから」と言い、堀潤は大きな感銘を受けたそう。「凄い応援したくなった。ベクトルがめちゃくちゃ前に向いている。これこそイノベーション。行政に文句を言うとか、報道がないのに嘆くとかではなく、もうひたすらただ作っている。これだよな、伝えるべき被災地の現場は」と、その理想を熱く語る。「(伝えられて)ただ辛くなる報道(の意義)って何だろう?」と疑問を投げかける川田に、堀潤は「あれはファクトを伝えてるのではなく、物語を伝えてるに過ぎない」と切り捨てた。

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