徐々にネット解禁となりつつあるジャニーズ事務所だが、まだ楽曲のダウンロードや配信、ネット上でのMV全編視聴などは対応していない。『GR8ESTアプリ』改め『関ジャニ∞アプリ』はそんなジャニーズ特有のデジタルサービスと言える。これまでジャニーズの音源をスマートフォンやタブレットで持ち運ぶとなると、iTunesやGoogle Play MusicなどのメディアプレーヤーにCDから楽曲を取り込んでいた。それが『関ジャニ∞アプリ』であれば、アプリをダウンロードしてIDとシリアルコードを入力するだけで完了する。ストリーミングだけでなくアプリ内にダウンロードができるため、通信制限がかかっていても電波状況が悪い地下鉄内などでも、気にすることなく見られる。さらに『ここに』ではMVのソロアングルも対応。これまでDVDやBlue-rayでソロアングルはあったが、持ち運びすることは難しかった。それがいつでもどこでも自担のソロアングルを見られるようになったのである。これは画期的だ。

　『ここに』以降のシングルやアルバムも、『関ジャニ∞アプリ』対応になっていくことは想像に難くない。さらに、関ジャニ∞以外のグループにもこの試みが広がっていく可能性もあるだろう。ストリーミングサービスが全盛となっている今、ジャニーズ独自のデジタル戦略がどこまで発展していくのか、興味が尽きない。

（文＝高橋梓）