短編アクションRPG『Minit』日本語版発売 60秒後の死と復活の無限ループから脱出せよ!

短い時間で遊べて、限界までやり込める

 本作は制限時間だけでなく、エンディングまでのボリュームも短い。多少、つまずいたとしても2~3時間ぐらいでクリアできる。道中には多くのイベント、謎解き、探索地点が用意されているが、工場を目指す最終目標に関連するものはごく一部で、それに特化して進めていけば、あっという間に終わる。

 もちろん、全てのイベント、謎解き、探索地点の攻略を行った上でクリアを目指す場合は相応の時間がかかる。ただ、よほど右往左往しない限り、10時間以上はかからない。遅くとも5~6時間ぐらいだ。

 それもあって、昨今の平均クリア時間が長いゲームに食傷気味なプレイヤーには優しく、ビッグタイトルの箸休めとして遊ぶのにも最適なボリュームになっている。

 かと言って、ゲームとして“浅い”わけではない。プレイを重ねる度に攻略手順が最適化されていくので、どこまでクリア時間を縮められるかに挑むタイムアタックのやり込みが熱い。エンディングではクリアまでかかった時間も総合成績として表示されるので、自然と短い時間を目指して遊びたくなる。また、死亡して蘇った数も記録されるので、これをどこまで抑えられるかに挑むのも面白い。そして、いずれも本編のボリュームが短いからこそ、気軽に挑戦できる。サッと遊べて終えられ、極めるとなれば何度でもやり込める。こう言ったリプレイ性の高さも本作の魅力だ。

▲筆者の三周目クリア時の記録。慣れればここまで短縮できる。

 更に時間制限が40秒になり、1回でもダメージを受ければ即死亡の「ハードモード」も用意されている。敵配置も変更されるなど、よりシビアになった本編を楽しめるので、一回クリアして物足りなさを覚えたプレイヤーはぜひ、挑戦してみていただきたい。

シュールな冒険の旅に出よう

 ゲームボーイ作品を意識したモノクロ調の簡素なグラフィックも独特の味わいがあり、特にキャラクターはどれもこれも得体の知れない生き物ばかりで、インパクトがある。主人公すら「なんだこいつ」な容姿だ。人によっては『た●ごっち』のキャラクターが脳裏を過ぎるかもしれないが、気のせいだと言っておこう。

 また、音楽もグラフィックにマッチした懐かしい作風。数は少ないが、耳に残る楽曲が揃っていて、土地ごとに固有の楽曲、環境音を流すなど、演出面でもこだわっている。サウンドトラックもAmazon Musicほかで販売中なので、お気に召したらぜひ、手に取ってみてほしい。

 アクションRPGとしては単純明快ながら、時間制限による独特な遊びが魅力の本作。短くサクッと遊べるゲームを欲している人、大作系のゲームにお疲れ気味の人には声を大にしてお薦めしたい一本だ。往年のファミコン、ゲームボーイ作品に遊び親しんだ世代も楽しめるだろう。気になる人は、シュールでスリリングな冒険の旅に出てみよう。

■シェループ 
新旧構わず、色んなゲームに手を伸ばしては積みゲーを増やし続ける人。コソコソとゲームライターとしても活動し始めた。2D、3Dのアクションと手強めの戦略シミュレーションが大好物。最近、『スプラトゥーン』のジャッジくんが気になって仕方がない。
Twitterアカウント(@shelloop

・Nintendo Switch版:https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000009042
・PlayStation 4版:https://store.playstation.com/ja-jp/product/UP3643-CUSA09747_00-JPPS400000000001

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