『スマブラSP』を彩る最高の音楽ーーリアレンジされた『スプラトゥーン』や『ロックマン4』などを解説
■「ロックマン4 メドレー」/『ロックマン4』
クラブミュージック風の楽曲が2曲続いたので、今度はロック的な要素が感じられる楽曲を。1991年に発売された『ロックマン4 新たなる野望!!』の楽曲を使用した「ロックマン4 メドレー」は、『ソニックアドヴェンチャー』を筆頭にした『ソニック』シリーズや『セガラリー』などで知られる瀬上純氏によるアレンジ。サウンドクリエイター兼ギタリストでもある特徴を活かし、原曲の電子音をメタル~ヘビーロック的な要素を持つ本格的なバンドサウンドに置き換えることで、ダイブマンステージ~スカルマンステージの楽曲がシームレスに繋がっている。ユニゾンで展開される主旋律を“泣きのギター”で表現することで、もともとメロディが持っていた表情がより豊かに感じられるのも印象的だ。
「シティトライアル」/『カービィのエアライド』
『カービィのエアライド』の「シティトライアル」は、『逆転裁判』や『グランディア』などのゲーム音楽から『東京ディズニーリゾート』のショー楽曲や舞浜駅の電車の発着音までを手掛ける岩垂徳行氏がアレンジを担当。力強いビートで楽曲を引っ張るドラムや細かく動くベースが徐々に加わって、管弦楽器を巧みに取り入れた原曲の流れるようなアレンジよりもバトルとの親和性を感じさせる雰囲気になっている。まさに『スマブラ』仕様の「シティトライアル」と言えるのかもしれない。もちろん、『星のカービィ』シリーズといえば、『スマブラ』のディレクターを務める桜井政博氏が生み出した人気シリーズでもある。
他にも、昨年発売されたWii U/Nintendo Switch用ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の「メインテーマ」を、『ロックマン』シリーズや『ファイナルファンタジーXV』で知られる青木佳乃氏がアレンジした壮大な楽曲や、アフリカやキューバ音楽辺りを思わせるパーカッションが挿入されてトロピカルに仕上がった『いっしょにチョキッとスニッパーズ』の「はちゃめちゃデスク」など名アレンジは多数。また、ゲーム音楽はゲームとの思い出も楽曲への思い入れを左右するため、人によって魅力を感じる楽曲はそれぞれに違ってくるだろう。そうした名曲群が新アレンジで900曲以上も集結する『スマブラSP』は、音楽面においても集大成的なものになりそうだ。
発売に向けて徐々に全貌が明らかになっている『スマブラSP』。ゲーム内容と同様、音楽面でもシリーズ史上最大の規模となる作品だけに、公式サイトで今後も順次行なわれていくという新たな楽曲公開にもますます期待したい。
■杉山 仁
乙女座B型。07年より音楽ライターとして活動を始め、『Hard To Explain』~『CROSSBEAT』編集部を経て、現在はフリーランスのライター/編集者として活動中。2015年より、音楽サイト『CARELESS CRITIC』もはじめました。こちらもチェックしてもらえると嬉しいです。