スポンサーやタレントも続々参加ーー『EVO2018』で見えたeスポーツの“明るい未来”

 アメリカ・ラスベガスに世界各地から強豪プレイヤーが集う、格闘ゲームの世界大会『Evo 2018 Championship Series』(以下、EVO2018)が、北米時間の8月3日〜8月5日に開催された。

 毎年、多くのプレイヤーが輝かしい成績を納めるべく、さまざまな国からラスベガスを訪れるのだが、今年はメインタイトルの8種目中6種目が参加者数1000人を越えた(昨年は9種目中4種目、一昨年も同様に9種目中4種目)。『ストリートファイター』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』のような、定番のタイトルが参加者数の上位を占めていたなか、今年は他タイトルにも注目が浴びるようになってきた。

 なかでも『ドラゴンボールファイターズ』は新規タイトルでありながら、2575人が参加を希望し、『EVO2018』で最大規模のトーナメントとなった。アクションゲームである『ドラゴンボール ゼノバース』シリーズが全世界で800万本以上出荷されているのを見ると、やはり『ドラゴンボール』が世界的に人気で、かつそのタイトルにマッチした格闘ゲームは望まれていたのが分かる。また、ワールドツアーを始め、着々とプレイ人口を増やしている『鉄拳7』や、海外人気の高い『RWBY』が参戦している『ブレイブルークロスタッグバトル』も躍進した大会となった。

 今回の『EVO2018』を見ていくと、これまで以上に、格闘ゲーム並びにeスポーツ業界全体を押し上げる動きが裏で行われていたのがうかがえた。まずひとつとして、大会へ参加したいプレイヤーへのサポートが厚くなってきたことだ。『EVO』は格闘ゲームをやりこんでいるのであれば、誰しもが一度は参加したい舞台だ。ここで優れた成績を残せれば、スポンサーから声がかかりプロとなるのも夢ではない。

 しかし、参加を実現するためにネックとなるのが渡航費や滞在費といった金銭的な問題。たとえば、安全面を考え全日空を経由し、日本からラスベガスを往復すると30万〜40万ほどはかかる。毎年自費で『EVO』に参加する選手もなかにはいるが、高い実力を持ちながら、参加へ踏み込めないプレイヤーも多くいることは事実だ。

 そこで金銭的な問題をこの『EVO』に限り解決してくれる、“スポットスポンサード契約”へ企業が名乗りを挙げた。これはスポンサーの看板を背負って戦う代わりにプロと同様なサポートを一時的に受けられるという内容。これまでの大会で実績を残してきた強豪プレイヤーと契約する企業や、特定の大会で優勝することで『EVO』参加を支援するのを発表していたところもあった。

 今回、スポットスポンサードとしてHORIやウェルプレイドといったeスポーツ業界と近しい関係にある企業が支援していただけでなく、吉本興業のような世間一般から見ると縁遠そうな企業も参加をサポートしていた。ちなみに、吉本興業は3月にeスポーツ「よしもとゲーミング」を始動させており、今後のeスポーツ業界の盛り上がりには欠かせない存在になりそうだ。

 EVO2018から垣間見えたeスポーツ業界の大きな進歩として、日本のeスポーツへの興味関心が高まってきていることも挙げられる。まだまだ海外と比べると日本では受け入れられていないeスポーツ。そんななか、今大会の動向を探っていくと、今後eスポーツ業界が明るくなっていくのではないかと思える、良い傾向が見られた。

 上記で紹介した吉本興業のeスポーツ事業への参入はもちろんのこと、ラスベガスの現地には芸能人が訪れていたのだ。ロンドンブーツ1号2号の田村淳や、ゲーム番組『勇者ああああ』(テレビ東京)でお馴染みのアルコ&ピースのふたりが大会に参加し、格闘ゲームを楽しんでいた。また、田村淳は全世界にEVOの試合光景が発信される配信台で、『STREET FIGHTER V ARCADE EDITION』をプレイ。ガイルを使い、真剣な表情で戦う姿が映しだされていた。これからeスポーツの魅力を伝える人や番組が徐々に増え、業界全体が明るくなるのもそう遠くないのかもしれない。

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