tofubeats、鎮座DOPENESSらが早くも活用 インスタ「IGTV」は音楽シーンに浸透するか?

 インスタグラムが6月20日(アメリカ時間)、サンフランシスコで催されたイベントにて縦型動画サービス「IGTV」のローンチを発表した。従来のインスタグラムは最大60秒(ストーリーでは最大15秒)の動画しか扱えなかったが、「IGTV」では最大60分(フォロワーの多いアカウントや認証済みアカウントに限定)の動画をアップロードできるようになった。まだローンチしたばかりのサービスだが、国内の音楽シーンではすでに「IGTV」を利用するアーティストが登場し始めている。

 ドラマ『電影少女』の主題歌「ふめつのこころ」や、映画『寝ても覚めても』の主題歌「River」を提供するなど、確実に活動の幅を広げているtofubeatsは、6月21日にいち早く、Twitter上で「IGTVとりあえずガンガンアップしてみてる」とつぶやいた。tofubeatsの「IGTV」チャンネルには、「ふめつのこころ」や、アルバム『FANTASY CLUB』から昨年配信された「WHAT YOU GOT」のMVダイジェスト版、2分ほどのライブ動画などがアップされている。

 カルチャー動画メディアレーベルluteの「IGTV」チャンネルには、トラックメーカー/MPC PlayerであるSTUTSのスタジオライブ動画や、2016年に秋田県藤里町で開催された野外ライブ「unkind(アンカインド)」から、鎮座DOPENESSの「HIP HOP」がアップされている。

 また、レコードレーベルP-VINEが開設しているP-VINE RECORDSのヒップホップ専門アカウントでは、MONJU/DOWN NORTH CAMPのメンバーであるMC、仙人掌のライブ動画がアップされている。

 アーティスト側にとって、「IGTV」は「YouTube」に続く動画プロモーションのツールと考えていいだろう。これまで、アーティストは「YouTube」のアスペクト比16:9を意識してMVなどを制作してきた経緯がある。スマートフォンなどのモバイルユーザーを意識したと思われる「IGTV」の縦長動画は、これまでにない斬新なMVが生まれる可能性を秘めている。

 もちろん、「YouTube」とは異なる縦長動画のフォーマットはMVを制作する側にとっては手間がかかる。しかし、逆転の発想をすれば、「IGTV」限定のMVを発表するなど、スペシャル感を打ち出した動画をファンへ提供することもできる。

 また、「IGTV」専用アプリはあるが、インスタグラムから直接、視聴することも可能だ。インスタグラムとアカウントの連携もできる。「IGTV」を発表したイベントにおいて、インスタグラムの共同創業者/CEOであるケヴィン・シストロムは、インスタグラムの月間アクティブユーザー数(MAU)が10億人を突破したことを明らかにした。多くのユーザー数を抱えるサービスをそのまま利用できるのは、アーティストにとって魅力的である。

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