本日『ソニック』生誕27周年! スタイリッシュな“音速ハリネズミ”の歴史に迫る

 1991年にセガ(現セガゲームス)が生み出しゲームキャラクター『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』(以下ソニック)が、2018年6月23日に27歳の誕生日を迎える。マリオのライバルキャラとなるべくおくりだされたソニックは、ビデオゲーム史においてもポップでクールなキャラクターのアイコン的存在となった。

 2018年7月19日には最新作『ソニックマニア プラス』の発売を控えていることもあり、今後もその人気は続いていくことだろう。今回は、そんなソニックの魅力ついて、誕生の歴史やこれまでのシリーズ作品の内容を踏まえながら解説する。

『ソニックマニア・プラス』プロモーション映像

マリオのライバルとして生まれたソニック

 ソニックが誕生したのは1991年。当時の家庭用ゲーム市場で覇権を握ってた任天堂のファミリーコンピュータ、及びその看板キャラクターであるマリオに対抗する形で生み出された。実在する動物のハリネズミをモチーフとしており、年齢は15歳の少年。ブルー単色のボディに赤いシューズ、そして軽く挑発するかのような目つきの悪さは、コミカルなゲームキャラにはないクールな印象を与える。その特徴は何と言っても「音速を超えるスピードで走れること」であり、1991年6月23日発売の『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』では、その操作スピードが生み出す新感覚がユーザーを大いに驚かせた。

 この足の速さが、自由きままに信条を大切にして生きる、というソニックの性格と結びついており、彼をやんちゃながらも正義感溢れる主人公キャラクターへと仕立て上げている。この設定は2003年より放映されたアニメ『ソニックX』(テレビ東京)でもハッキリと描かれ、テイルスやエミーといったソニックの仲間たちに加え、アニメ版主人公のクリスとの絆の尊さも盛り込まれていた。当初は丸っこいデザインであったが、時を経るごとにブラッシュアップされて人間の頭身に近いシャープな体型になった事実は、ソニックを語る上で知っておいて損はないだろう。

横スクロールアクションの新時代を切り開く

 ソニックが初めて登場したゲーム作品は、1991年6月23日発売のメガドライブ用ソフト『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』で、日本に先がけ北米で初披露となった。内容は横スクロールアクションであったが、メガドライブが持つグラフィック描画能力を最大限に活かした高速アクションが大きな話題となる。当時の一般的なアクションゲームというと、ジャンプや敵の動きをよく見て回避・攻撃などのアクションを取り、ゴール地点へ丁寧に進めるタイプの作品が多くみられた。つまり、1985年に大ヒットした『スーパーマリオブラザーズ』のフォロワータイトルが続々とリリースされていたのである。

 その状況下で生まれたソニックシリーズは、猛ダッシュするソニックに合わせて画面が高速スクロールし、ステージの先が読めないドキドキ感と高揚感が味わえる爽快な作品としてインパクトを与えた。このハイスピードなゲームシステムは後の作品にも継承され、続編の『ソニック・ザ・ヘッジホッグ2』や、ライバルキャラのメタルソニックがデビューした『ソニック・ザ・ヘッジホッグCD』などの2Dアクション作品が続いていく。作品を重ねるごとにアクション数や使用できるアイテムも増えていき、『ソニックドリフト』や『ソニック・ザ・ファイターズ』といった派生作品も登場。ソニックの相棒であるテイルスを主人公に据えた『テイルスアドベンチャー』も生まれ、2Dアクション期におけるソニックシリーズ作品はある程度の成熟を迎える。

 そして1998年に発売されたドリームキャスト用ソフト『ソニックアドベンチャー』は、フル3Dグラフィックで描かれる箱庭アドベンチャーへと進化を果たす。これまではゲーム中に喋らなかったソニックも、声優の金丸淳一氏がキャラクターボイスを担当。ネイティブな英語発音を交えたキレのある声が、ソニックのキャラクター像や性格をより確立させた。音速で駆け回る2Dアクション時の楽しさは健在で、3Dフィールド内を自由に移動できる操作感覚は、シリーズ作品に新たな風を吹き込んだ。また本作の主題歌『Open Your Heart』をはじめ、ハードロックな楽曲が各作品のメインテーマに使われ始めたのもポイントだ。2018年現在までは、こうした2Dと3Dのアクション作品が中心に制作されており、同様にソニックを題材にしたレースゲームも新たなシリーズファン層の獲得に貢献している。

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