“音の変態”サカナクション 山口一郎が『関ジャム』で明かした、チームへの愛とサウンドのこだわり

 後半では“サイレントスタジオ”と呼ばれる、サカナクションのプライベートスタジオがテレビ初公開された。スタジオにはスピーカーが設置されておらず、あるのはヘッドフォンのみ。その理由を山口は「リスナーが再生ボタンを押したときに、初めて音が空気に触れる作品を作りたい」と明かした。これはサカナクションが挑戦し続けている、“音楽ソフトのプロダクトとしての価値の拡張“の一環であると山口は解説。さらにコンセプトや体験を重視し、音楽ソフトの価値を上げるための制作手段だと説明していたが、これはまさに“音の変態”と言えるだろう。

 山口の“音”への強い思いはこれまでの各メディアでの発言はもちろん、音源やライブでもリスナーに伝えられてきた。ロックとダンスミュージックを一体化させ、ポップスとして昇華することに挑戦し続けてきたサカナクションは、今やシーンの中で盤石の地位を築いている。今回の放送で彼らの“音”へのこだわりがわかりやすく紐解かれたことで、より広い層に山口の思いが明確に伝わったのではないだろうか。彼らの探究心、向上心は尽きることなく、これからの作品でも新たな挑戦を続けてくれることを確信する放送だった。

(文=馬場翔大)

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