二宮和也『ブラックペアン』の最新医療機器は実在する? 医療機器メーカーに問い合わせてみた

 嵐の二宮和也が主演を務める医療ドラマ『ブラックペアン』(TBS系列)が、4月22日に放送され、そのリアリティ溢れる仕上がりに注目が集まっている。最新の医療機器が並ぶ手術室の中、専門的な医学用語が飛び交い、脈打つ心臓まで映し出す手術シーンは本物さながらで、高い緊張感がある。イムス東京葛飾総合病院・心臓血管外科・医長の山岸俊介氏が医療監修を務めており、公式サイトでは手術シーンについて、「実際我々が行っている現場のまま再現しています。術野からの出血の仕方、術野のドレープに着く血液の付着具合、役者の方々のガウン(手術着)に着く血液の様子、全てあり得る形で再現しています」とコメントしている。

 第1話では、東城大学医学部付属病院で同僚医師らから“オペ室の悪魔”と呼ばれる外科医・渡海征司郎(二宮和也)が、“神の手”を持つと称される心臓外科医・佐伯清剛教授(内野聖陽)の受け持つ患者を鮮やかなオペで救う様子が描かれた。一方で、西崎教授からの刺客として東城大にやってきた新任講師・高階権太(小泉孝太郎)は、アメリカで開発された最新医療用機器「スナイプ」の使用を推進しようとする。この機器を使えば、渡海征司郎が行った難しい手術を誰でも行えるという。そして、高階はこの「スナイプ」を使用して手術を行うのだが、このような機器は実在するのだろうか? 医療機器メーカーのジョンソン・エンド・ジョンソンに問い合わせてみた。

「現在、弊社では劇中に登場する『スナイプ』に該当する医療機器は取り扱っていません。おそらく国内ではほかの医療機器メーカーにもこのような製品はなく、僧帽弁の手術を行う場合には、縫合による施術が一般的です」

 本作の原作である『ブラックペアン1988』では、「スナイプAZ1988」という機器が出てくるが、この名称は造語である。実際には食道自動吻合器と呼ばれる機器で、その名の通り食道の手術に使われるものだ。ドラマ版では、この機器を僧帽弁手術用の機器として登場させることによって、物語を現代的にアレンジするとともに、より緊張感を持たせ、さらに医療の未来を示唆することに成功していると言えるのではないか。

関連記事