そんなプー・ルイが新天地として選んだのが、YouTubeの世界だった。彼女の歴史を知っていれば、自給自足の活動や、過激なパフォーマンスも厭わない精神は、まさにYouTuberにピッタリだと感じるだろう。「新生YouTuber研究会BYS」チャンネルを立ち上げ、3月31日に初投稿した「天井から決死の自己紹介！！」は、天井に貼付けられたプー・ルイがこれからの意気込みを苦しみながら語るという、まさにプー・ルイが輝いていた時代のBiSを彷彿とさせるパフォーマンス。しかも、第1期BiSの解散メンバーで今はそれぞれ活動する、コショージメグミ（Maison book girl）、ファーストサマーウイカ（BILLIE IDLE®︎）、テンテンコ、そして一般人となっていたミチバヤシリオが参加するという、旧BiSファンにとってはそれだけでも涙ものの動画だった。

　以降「お歯黒パニック」「メントスコーラでおっ◯い噴射！？」「輪ゴム顔面脱出ゲームでまさかの結果に！？」「水中でバナナを食べてみた」など、相変わらずアイドルの概念を超越した体を張ったネタを投稿しているが、どれもプー・ルイが仲間たちと楽しそうなのが実に微笑ましい。卒業コンサートで「私だけが2014年に取り残されていました」と言っていたが、彼女の理想郷の続きが、ここで解消されているように感じた。

　さらには、オープニング曲を以前からBiS好きを公言していたGLAYのHISASHIが制作。また「コラボのお誘いがあったらスケジュールが合う限り全部やっちゃいます」と発表し、早速YouTuber・カリスマブラザーズとのコラボを実現させた。

　インパクトある活動でアイドルの既成概念を壊してきたプー・ルイが、YouTuberとしてこれから何を見せてくれるのか。

（文＝本 手）