フリー素材化で再注目の『エルシャダイ』 “神話”は今も続いている!
「そんな装備で大丈夫か?」
2010年にネットで話題をさらい、同年の「ネット流行語大賞・年間大賞金賞」を受賞した言葉だ。ご存じの通り、2011年4月に発売された3Dアクションゲーム『El Shaddai(エルシャダイ)』内のセリフだが、発売前のプロモーションがこれだけ話題になったゲームは少ないだろう。
この言葉を投げかけられた“イーノック”は、「大丈夫だ、問題ない」と応じて戦地に飛び込むも、あっという間にボコボコにされ、巻き戻された時間軸のなかで「一番いいのを頼む」と臆面もなく言い放つ。これを大真面目に、カッコいいムービーで見せられれば、ネタ探しに余念のないネット民が遊び出すのも時間の問題だった。「大丈夫か」「問題ない」「一番いいのを頼む」など一連のセリフは現在もネット上で散見されるが、元ネタを知らない人もいるかもしれない。
そんな『エルシャダイ』の一部素材が、4月1日よりフリー化して配布されている。ゲームやプロモーションにもネタを仕込んできた制作陣のこと、「エイプリルフール企画ではないか」という見方もあったが、どうやらそうではないようだ。商用利用については連絡が必要だが、基本的には何にでも自由に使っていいという。
これを機に『エルシャダイ』の現在をまとめておくと、決してすでに終わったネタコンテンツではない。発売元のイグニッション(イギリス)が2011年に自主開発から撤退し、本作も封印させかけていたところを、2013年5月にディレクターの竹安佐和記が権利を取得。漫画や小説など派生作品を生み出し、昨年8月には、その系譜を受け継いだ新作RPG『ザ・ロストチャイルド』もリリースされている。