ライブ配信で拡大するゲーム市場 ライブコマースを超えるトレンドとなるか?

◾️【ライブ×クラウドファンディング】Kickstarter Live:ライブファンディング

 「Kickstarter Live」はクラウドファンディングサービス「Kickstarter」が導入しているライブ動画配信機能だ。

 出資を募るクリエイターは、ライブ動画配信を通して製作中のプロトタイプを見せたり、出資の伸びを報告することができる。また、送り手からクリエイターへ直接疑問を問いかけたり、意見交換をすることも可能だ。

 ライブ配信を活用することで、クリエイターと支援者間に「リアルなコミュニケーション」が生まれ、ライブコマース同様に送り手と受け手の親密度や信頼度の向上に一役買っている。その結果、「Kickstarter Live」を利用した資金募集キャンペーンは、従来の倍のの成功率を記録しているという。

 日本のクラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」も今年1月に分散型ライブファンディング機能「CAMPFIRE Fireball」を開始するなど、クラウドファンディングの場でのライブ配信は今後も活用が期待される。

◾️【ライブ×ゲーム】Twitch:ゲーム特化型ライブストリーミングプラットフォーム

 「Twitch」はゲーム実況を中心としたライブストリーミングプラットフォームだ。アメリカのライブ配信サイト「Justin.tv」から派生して誕生した「Twitch」は、2014年8月にAmazonが買収。以後世界的なゲーム動画配信サイトとなり、2017年には日本にもオフィスが開設されている。

 「Twitch」は、プロゲーマーや主要ゲーム会社によるゲーム実況があり、巨額の賞金が動くe-sportsの大会が配信されるなど、昨今のゲームブームを牽引している。視聴者は配信者とチャットを通してコミュニケーションができるのはもちろんのこと、配信者に向けてドネーション(寄付)を送ることもできる。過去には、ゲーム実況で月に50万ドル(約5,300万円)を稼いだプロゲーマーも存在するそうだ。

 従来、ゲームはプレイヤー一人が画面に向き合うものだった。しかし現在は、ライブ配信が全世界へと配信することを可能にし、「観戦」の対象となっている。「観戦型」に進化したゲームは、今後ますますの市場規模拡大が予測される。

 Eコマース業界に新たな風穴を開けたライブ配信だが、今回紹介したように「ヘルスケア」や「エンターテインメント」、「クラウドファンディング」とさまざまな領域で存在感を発揮している。成長が鈍化していた市場にも、新しい風を吹き込んでいくことだろう。

◼︎イゲタ アズサ
東京生まれ東京育ちの30さい。アパレル販売を6年やってからWEBの世界に。インターネット遅咲きの編集者・ライターです。

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