GReeeeN × NTT docomo「うた手紙」は、卒業シーズン盛り上げる画期的コラボに 両者の好相性はなぜ?

「はじまりの、そばに。」
「ひとりと、ひとつ。walk with you」
「つながりをずっと大切に。」

 これらはNTT docomoのキャッチコピーだ。常に“大切な人との距離”をコンセプトにマーケティングを展開してきたdocomoが3月9日(サンキューの日)、卒業シーズンに合わせて、ボーカルグループ・GReeeeNとコラボレーションしたキャンペーン「うた手紙」をスタートさせた。上記の3つのコピーを見てわかる通り、やさしく丁寧な言葉をコピーとして採用してきたdocomoの新しいコラボレーションは、革新的と言っていい内容で、10代を中心に反響を呼んでいる。

「うた手紙」

  同キャンペーンはGReeeeNが今回のキャンペーンのために書き下ろした新曲「うた手紙」がベースになっている。歌詞の一部をいくつかの選択肢の中から選び、ジャケットやタイトルといったパッケージを自分で決め、大切な人へと贈ることができるというものだ。GReeeeNはストレートな歌詞で“愛”や“感謝”をうたい、その実直な姿勢でリスナーを獲得してきた。docomoが発信してきたメッセージと重なる部分が大きく、相性の良さを感じるコラボレーションになっている。

 携帯キャリアのCMには、趣向を凝らしたユーモア溢れるものが多い。そのなかで、docomoもユニークなイメージキャラクター「ドコモダケ」をはじめ、渡辺謙、木村カエラが携帯電話を演じるシリーズなど、個性的なCMを打ち出してきていた。現在でも堤真一、綾野剛らによる「得ダネを追え!」シリーズに加藤一二三、欅坂46を起用しており、流行とリンクしたキャスティングで話題性を維持し続けている。

 こうして振り返ると、docomoは見た目のインパクトとユーモアを中心に据えた、キャッチーなCMを多く展開してきた印象を受ける。しかし、例えば上述の携帯電話への仮装も、“家族でも、恋人でもないけれど、 どんなときでもいつも近くにいる”存在=ケータイを擬人化することで、ユーザーの行動を優しく支援する、というメッセージを打ち出していた。今回の「うた手紙」は、よりストレートに温かなメッセージを伝える企画になっている。

 「うた手紙」は「逢い言葉」というキーワードを軸に、大切な人へ感謝を届けるメッセージソングだ。歌詞の選択部分が非常に多く、1カ所の選択肢の数もそれぞれ10個前後あるというところから、 “自分の言葉で想いを伝えてほしい”という企画の意図が伝わってくる。

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