『Steam』売り上げランキング分析
採掘系FPS『Deep Rock Galactic』の中毒者が続出? 『Steam』売り上げランキング分析
PCゲームのダウンロード販売プラットフォーム「Steam」より、「売り上げ上位+独立系開発会社+日本語対応」に絞って、ランキングをチェックしていく本コーナー。今回は3月11日19時時点でのランキングにフォーカスし、売り上げトップの新作『Deep Rock Galactic』を紹介しよう。
中毒者を生む、“採掘系”ゲームの新展開
2月28日、開発進行中のアーリーアークセス・タイトルとしてリリースされた『Deep Rock Galactic』は、いわゆる“FPS”(ファースト・パーソン・シューティング)系のアクションだ。FPSというと、「一人称視点で人と撃ち合うゲーム」を想像するかもしれないが、本作は“Co-op”と呼ばれるジャンルで、つまり“協力プレイ”がメインになる。現状では最大4人でチームを組み、ミッションの達成に挑むことになる。
舞台は貴重な資源が多く眠る銀河系の惑星。プレイヤーは現地で採掘を行うドワーフとなり、貴重な鉱石を持ち帰ることを目的に、危険な洞窟を切り開いていく。
シミュレーションゲームや『マインクラフト』のようなサンドボックスゲームも含め、「採掘」というミッション、あるいは「惑星開拓」という世界観を好むゲーマーは多い。ただ、そうしたゲームはどうしても決まった“作業”が多くなりがちだ。しかし本作は、単純作業の繰り返しにはならない。自動生成され、プレイごとに形を変えるステージ(洞窟)は常に新鮮で、目の前にあるあらゆるものが破壊できるため、決まった攻略ルートも存在しない。
また、クラス(職業)も、現状では4つから選ぶことができ、チーム編成によっても採掘任務の進め方は大きく変わってくる。行く手を阻むエイリアンを倒すことに特化した「ガンナー」、洞窟内を明るく照らし、チームの作業効率を高める「スカウト」、固い岩盤を砕き、道を拓く「ドリラー」、タレットなどを使ってチームの動きをサポートする「エンジニア」と、役割もさまざまで、一つのクラスでやりこむことも、気分によってプレイスタイルを変えることも可能だ。武器の違う4人編成、という意味では、ゲーム性は異なるものの、『スプラトゥーン』的な楽しさを思い浮かべるとわかりやすいかもしれない。ミッションをクリアし、経験値を獲得して、装備をアップグレードしていく、というやり込み要素も、もちろんある。
現状でも、本作で“採掘中毒”になっているプレイヤーは多いが、アーリーアクセス版で日々進化していくタイトルでもあり、洞窟の構造やエイリアン、そしてクラスの追加なども、随時行われていくようだ。採掘作業が現実の仕事に影響しないよう注意しつつ、遊び続けたいタイトルである。
その他、ロングテールで売れ続ける人気作も
さて、ランキング全体を眺めてみると、新作と呼べるのは本作と、3月10日発売の美少女系パズルゲーム『Tropical Liquor』くらいで、その他は先週のランキングで紹介した『Slay the Spire』、『RimWorld』のほか、歴史的名作と名高いドット絵RPG『Undertale』、釜に入った男が山を登るシュールなアクションと理不尽なゲームバランスで、昨年来、ネット配信の人気作となっている『Getting Over It』など、多様な作品が揃っている。
ゲーム自体のバージョンアップや、ゲーム実況動画のブレイクなどで、ロングテールで売れ続けるのも、在庫の問題がなく、DLで簡単に購入できるPCゲームの特徴だ。売上ランキングを時折チェックすると、思わぬどハマりゲームに出会えるかもしれない。
(文=橋川良寛)