『豊臣兄弟!』“秀次”山田涼介の怒りが不気味すぎる 刀狩令が生んだ豊臣家の亀裂

『豊臣兄弟!』秀次の不気味すぎる怒り

 NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』第43回「殿下の刀狩り」では、秀吉(池松壮亮)が全国に発した刀狩令を受けて、大名からは不平不満の声が噴出する中、秀長(仲野太賀)と秀次(山田涼介)は前回に続き対照的な行動と態度で、さらなる確執を生んでいく。

 刀狩りとは、侍を除くすべての民から刀などの戦道具を取り上げる法令。太閤検地と並ぶ秀吉の代表的政策だ。国衆に一揆を焚き付け、秀吉に切腹を命じられた佐々成政(白洲迅)が発令の要因にある。刀狩りに反対するのは秀次。百姓にとっても身を守るのは刀であり、力ずくで取り上げようとすれば再び一揆を引き起こしかねないという考えに対して、秀長は「やるべきじゃ。わしはこの時を待ち侘びていた」と発令に賛同。取り上げた刀や武具を大仏建立に用いるのはどうかと、集めた武器の使い道までも提示した。熱弁を振るう秀長に反して、あからさまに顔をしかめる秀次。成政に斬りつけられた秀長の顔の傷を、わざわざ秀吉の前で問いただす秀次の意地悪さが露呈している。

 刀狩りが始まると、命令に背いて武器を隠し持っていた百姓や商人が引き据えられる。それは自身の身を守るため、全てが一揆目的ではないものの、見せしめとして秀次は彼らを処罰するほかなかった。苦悩する秀次。秀長の大和郡山では才蔵(間宮祥太朗)たち町人が並ばされる。城下に盗賊が押し入り、隠し持っていた武具で賊を退けたというのだ。そこで秀長は町人たちを咎めず、賊の取り締まりを怠っていたと才蔵らにひれ伏した。

 秀長の一件を聞きつけ秀吉に訴える秀次だが、刀狩りの真の狙いは武具などなくとも生きていける世があると分からせ、民の心を絡めとることにあると秀吉は秀次に諭し、「さすがはわしの弟じゃ。とんだ人たらしよのう!」と笑いながらその場を去っていく。自身の意見はことごとく退けられ、弟である秀長の器量を絶賛する秀吉。一人残された秀次は握りしめた拳で何度も畳を叩き、見上げた顔には怒りを滲ませながらも、不気味なほどに冷静さを取り戻していた。

 およそ1年半の撮影が10月30日に終了し、クランクアップを迎えたことがアナウンスされた『豊臣兄弟!』。全48回となる今作の最終回は12月13日で、15分拡大版の放送となる予定だという。つまりはラスト5回。次回、第44回「ある家臣の死」では秀長の家臣・吉川平助(松岡広大)が死罪を命じられることとなる。暗躍する秀次。その先には千利休(吉岡秀隆)や足利義昭、改め昌山(尾上右近)が危惧していた秀吉の天下人としての暴走があるのだろう。

 それを止められるのは秀長ただ一人だ。同時に次回予告でも相変わらずの抜け具合でクスッと笑わせてくれる家康(松下洸平)が秀長のパートナーとなっていく予感がする。第43回でも毛利輝元(濱正悟)ら諸大名を納得させるため、秀長が裏で手を結んでいたのが古くからの仲である前田利家(大東駿介)、そして家康だった。輝元らを分からせようと顔を真っ赤にしながら「ふんっふんっ!」と必死の形相で訴える秀長=仲野太賀のアドリブ演技に耐えきれず、思わず笑ってしまっている松下洸平。見方によっては、それは脂が乗ってきている証拠。『豊臣兄弟!』はここからラストスパートに突入していく。

■放送情報
大河ドラマ『豊臣兄弟!』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/毎週土曜13:05〜再放送
NHK BSにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送/毎週日曜18:00〜再放送
出演:仲野太賀、池松壮亮、吉岡里帆、浜辺美波、白石聖、坂井真紀、宮澤エマ、倉沢杏菜
大東駿介、松下洸平、中島歩、要潤、山口馬木也、宮﨑あおい、小栗旬ほか
語り:安藤サクラ
脚本:八津弘幸
制作統括:松川博敬、堀内裕介
演出:渡邊良雄、渡辺哲也、田中正
音楽:木村秀彬
時代考証:黒田基樹、柴裕之
プロデューサー:高橋優香子、舟橋哲男、吉岡和彦(展開・プロモーション)、国友茜(広報)
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-P52L88MYXY
公式X(旧Twitter):@nhk_toyotomi
公式Instagram:@nhk_toyotomi

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