松下洸平、『豊臣兄弟!』で挑んだ唯一無二の家康像 「非常にコミカルなキャラクターに(笑)」

『豊臣兄弟!』松下洸平が目指した家康像

 現在放送中の大河ドラマ『豊臣兄弟!』(NHK総合)で、豊臣秀長(仲野太賀)・秀吉(池松壮亮)兄弟の前に立ちはだかる最大のライバル、徳川家康を演じている松下洸平。物語はいよいよ終盤戦に突入し、豊臣家と徳川家の関係性も大きく変化していく。圧倒的な存在感を放った織田信長役・小栗旬との共演エピソードから、視聴者に愛される“コミカルな家康像”の作り方、そして1年半に及ぶ撮影を通して感じた『豊臣兄弟!』への思いまで、たっぷりと語ってもらった。

小栗旬の放つ威圧感に「頭が真っ白に」

ーー第15回の姉川の大合戦で、織田信長(小栗旬)から援軍を求められてわざと遅れて到着し、激怒されて狼狽するお芝居が非常に印象的でした。小栗旬さんとの共演はいかがでしたか?

松下洸平(以下、松下):本作における小栗旬さんの存在は本当に大きかったなと思います。今まであまり現場でセリフが出てこなくなることはなかったのですが、小栗さんとのシーンでは、目の前に信長さんがいて、あの目でキリッと睨まれると……頭が真っ白になりましたね(笑)。「徳川家康、ただいま参上いたしました」というセリフだったと思うのですが、出ていって膝立ちしてパッと見たら、すごい怖い顔でこちらを見ているんですよ。一言もセリフが出てこなくなりました。それくらい、小栗さんが演じる信長公の威圧感や強さに圧倒されました。

ーーそれほどのプレッシャーだったのですね。

松下:「他に申したきことはないか」と言われたときも、半分お芝居で、半分は素のような状態でした。でも、こちらが芝居を作る必要がないほど、小栗さんが常に威圧感を提示してくださるので、その波に乗っかるのみでした。しっかり成立させてくださる小栗さんの存在はすごく大きかったです。

ーー家康から見て、豊臣兄弟はどういう存在として捉えられていたのでしょうか?

松下:家康から見たあの二人は、今まで家康の人生の中には存在しなかったキャラクターだったと思います。だからこそ非常に扱いにくかったでしょうし、どう接するべきか、どう戦うべきか、非常に頭を悩ませただろうなと。それほどまでにあの二人が魅力的でした。後に秀吉が亡くなったとき、家康は涙を流したという話を伺ったことがあります。それほどまでに秀吉という存在に心酔していたのでしょうね。あの二人がどこまでもピュアで、まっすぐな熱意を持ってぶつかってくる。最終的には彼らの熱意に家康が動かされるという、面白い構図が出来上がったなと思います。

ーーこれまでの大河ドラマでも多くの俳優が家康を演じてきましたが、今回の家康は非常にコミカルな一面があります。

松下:僕のイメージでも、家康はクールで腹の内が見えず、本音を言わないカッコいいイメージがありました。だから僕もそうなるのかなと思っていたら、非常にコミカルなキャラクターになりまして(笑)。でも、だからこそ、これまで誰も演じていない徳川家康へのアプローチの道筋が見つかったような気がしています。過去の作品で言うと、到底及ばないのは覚悟の上で、以前役所広司さんが演じられた徳川家康の映像を拝見して、時代劇におけるお芝居の仕方を勉強させていただきました。ただ、家康は天下人ですから、本作では描かれていない残酷な面もあったかもしれない。そういったところも、今の家康の中で演じてみたかったなという思いはあります。

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