『GTO』から『いろはの恋は時代をかける』へ 上白石萌音が更新する“型破りな教師”像

近年、学校や子どもとの向き合い方を描いたドラマが再び存在感を増している。2026年は、春には『サバ缶、宇宙へ行く』(フジテレビ系)や『タツキ先生は甘すぎる!』(日本テレビ系)、夏には『GTO』(カンテレ・フジテレビ系)など、教育をテーマにした作品が放送された。そして今秋、新たに登場したのが『いろはの恋は時代をかける』(TBS系)だ。
本作は、江戸時代から令和へとタイムスリップした飛脚の娘・いろは(上白石萌音)が、現代の小学校教師・梨木彩葉(上白石萌音)の身体で生きることになるロマンティック・コメディドラマ。念願だった教壇に立つことになった彼女は、現代の学校の常識に戸惑いながらも、持ち前の好奇心と独自の教育観で子どもたちと向き合っていく。

時代とともに教育現場を取り巻く環境は変わり、そこで描かれる教師像も変化してきた。それでも、学園ドラマには繰り返し登場する人物像がある。学校の常識にとらわれず、独自の方法で生徒たちと向き合う、いわゆる“型破りな教師”だ。
その代表格といえば、やはり『GTO』の鬼塚英吉(反町隆史)だろう。元暴走族という異色の経歴を持つ鬼塚は、教師らしからぬ言動を繰り返しながらも、生徒が抱える問題に真っ直ぐに向き合ってきた。『ごくせん』(日本テレビ系)の山口久美子(仲間由紀恵)もまた、任侠一家の跡取り娘という素性を隠しながら、体を張って生徒たちを守る姿が、多くの視聴者の心をつかんだ。
いじめや不登校、受験、家庭環境、そして教師と生徒の関係。学校が抱える問題はいつの時代も複雑で、既存のルールや方法だけでは解決できないことも多い。だからこそ、学校の「当たり前」を疑い、別の価値観を持ち込む教師が、学園ドラマには必要とされてきた。
そんな型破りな教師の系譜に新たに加わったのが、いろはである。教室に入れば、靴を脱ぎ、机の上に正座して「本日よりよろしく願います」と挨拶。生徒からカタカナが漢字に由来すると教わると、その成り立ちを知ろうと教室を飛び出し、休み時間も忘れて子どもたちと調べ始める。

そもそも江戸時代からやってきたいろはには、令和の学校の常識がない。何が普通で、何が普通ではないのか。そんな区別さえ持たない彼女の振る舞いが、結果として令和の教室に新しい風を吹き込んでいく。彼女と生徒たちの生き生きとした光景を目にした同僚・真島玲二(山中柔太朗)は、一言。「この学習法、どこのサイトで見たんですか?」
ひとえに“型破りな教師”といっても、近年の学園ドラマに目を向けると、その姿は実に多様だ。『御上先生』(TBS系)の御上孝(松坂桃李)は、文部科学省の官僚という立場で教壇に立ち、社会の仕組みや目の前の出来事を自分の問題として捉えるよう生徒たちに問いを投げかける。『なんで私が神説教』(日本テレビ系)の麗美静(広瀬アリス)は、生徒に深入りすることを望んでいないが、思わず口にした言葉が生徒たちの心を動かし、結果としてクラスを変えていく。
学園ドラマは、時代ごとに異なる教師の姿を描いてきた。生徒を守り、社会の矛盾を問い、一人ひとりの事情に向き合う。そこには、私たちが教師に寄せるさまざまな期待が映し出されている。




















