『ブラッサム』珠×保の幸せが長く続いてほしい 家庭と夢の両立が問われる展開に

『ブラッサム』長く続いてほしい珠×保の幸せ

「わしはまだ、兄様のままか?」
「うち……、保さんが好きじゃ」

 10月30日に放送されたNHK連続テレビ小説『ブラッサム』第25回では、珠(石橋静河)と保(金子大地)が心を通わせ、ついに恋仲になった。保は珠のことをずっと静かに熱く思い続けてきた。その気持ちが、島村(工藤阿須加)との破局を機に恋に臆病になっていた珠の心を素直にさせた瞬間だった。本稿では、そんな珠と保の出会いからこれまでを振り返ってみたい。

 2人の出会いは、珠の最初の結婚。珠はいとこでもある享一(小堀正博)と結婚したが、保はその弟だった。珠は祝言が終わったあとに「出かける」と言い出した享一の支度を手伝おうとするが「いらん」と言われたことに大きなショックを受ける。保はそんな珠に、享一のことを「どうしようもない兄貴」と言いながら、色町に好いた女性がいることなどを包み隠さず教えてくれた。

 珠と享一の離婚が成立し、いとこであっても、もう会うことはないと思われた2人だったが、珠が代用教員を辞めさせられ、本家の葉野酒造で働き始めた頃に再会。保は京都の第三高等学校に通う学生で、夏休みで地元に帰省していた。珠は島村と仕事場で恋仲になったことで心ない噂を立てられていたが、保はその噂を知っていても珠本人には言わず、自然体に接していた。休みの間中、2人は一緒に並んで団子を食べたり、かき氷を食べたりしながら他愛のない話を楽しみ、珠も保のそばでなら安心していられたようだった。そして2人の交流は保が京都に戻ってからも文通という形で続くことに。さらに、保と再会してから、珠は保の母から彼と将来一緒になる提案をされている。このとき、珠は家族のことを思って断るが、保はもう珠のことが好きだったのかもしれない。

 その後、悪い噂が一向に消えないことに苦しんだ珠は、東京へと旅立ち、東京帝国大学に進学した保と東京の下宿で一緒に暮らすことに。しかし、この下宿には「他人の男女は同居してはいけない」という決まりがあった。珠は、下宿の大家の娘・三好マキ(中村優子)が自分のことを「保の妹」と勘違いしたことをいいことに、そのまま“嘘”を突き通そうとするが、やはりすぐに怪しまれてしまう。そこで保も“隠蔽”に走るかと思いきや、マキたちに「僕たちはきょうだいじゃありません」と真実をしっかりと伝えた。その上で、事情を話して下宿においてくれるように頭を下げてお願いする保。かつて、珠が婚家から“脱走”した際には、微笑みながら「それがええ」と人知れず珠の背中にエールを送っていた保だったが、時を経て、1人の女性を守りたいと矢面に立つ男へと成長していたことを感じさせた。

 しかし、この時点で2人は、互いの気持ちを確かめ合っているわけではなかった。保は時折、「1年も待っていた」というようなことを言うのだが、珠は嬉しそうに笑うだけ。だが、珠も保の好物である里芋の煮っころがしを日々、作り続け、保からの「おいしい」の言葉を待っているところを見ると2人が“両思い”であることは確実で、下宿での日々はまさに胸キュンとドキドキが感じられる“同棲生活”だった。

 一方で、珠は、東京には知り合いがいなかったが、本屋に通ったり西洋レストランの悠樂軒での給仕の仕事をしたりする中で、さまざまな文芸関係者と知り合っていく。中でも大阪出身の作家志望の青年・左良太(北野秀気)と親交を深めていた珠は、作家の卵としてお互いに励まし合い、握手を交わしているところを保に見られ、詰め寄られてしまう。珠を安心させてくれる存在だった保は、珠と一緒にいる時間が長くなるうちに、逆に珠なしではいられなくなったようだ。程よく隙があり、社交的で明るい珠の、“人を沼らせてしまう魅力”が伝わってくる。

 そして、やっと恋仲となった2人には早くも子どもができた。ゆっくりと確実に、家族になることを実感している珠と保。好きな人と笑い合いながら生活をし、納得のいく小説を書くことを夢見て努力している珠を見ているとこの幸せが長く続いてほしいと願ってしまうが、困難のない人生などない。果たして2人はこれから待ち受けている困難を、力をあわせて乗り越えられるだろうか。

■放送情報
2026年度後期 連続テレビ小説『ブラッサム』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜から金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:石橋静河、加賀まりこ、松たか子、国仲涼子、渡部篤郎ほか
作:櫻井剛、小松與志子
主題歌:YOASOBI
制作統括:村山峻平、櫻井壮一
プロデューサー:大野陽平
演出:盆子原誠、中泉慧、佐藤玲衣、田中陽児、小林直毅、野田雄介
写真提供=NHK

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