MCUの歴史は人工知能の歴史? 『ヴィジョンクエスト』にみるマーベルが予見したAIの変遷

ディズニープラスで独占配信中のマーベル・スタジオのオリジナルドラマシリーズ『ヴィジョンクエスト』より、ヴィジョン役のポール・ベタニー、ショーランナーのテリー・マタラスらのコメントが到着した。
本作は、トニー・スタークによって生み出されたAIを基に誕生した人造人間ヴィジョンを主人公に据えたマーベルの新オリジナルドラマシリーズ。強大な力を持つ一方で、人間と同じように感情を抱き、人間よりも“人間らしい”存在として描かれてきたヴィジョンは、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で初めて登場して以来、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『ワンダヴィジョン』など数々の作品で物語を紡いできた。
ヴィジョン(ポール・ベタニー)や、かつてアベンジャーズとも対立したウルトロン(ジェームズ・スペイダー)など、多彩なAIキャラクターが登場する本作。AIが日常に浸透し、人工知能を題材にした作品も数多く生まれる現代。マーベル・スタジオもまた、物語を通してAIの進化や暴走、そして人類との共存の可能性を描き続けてきた。
MCU作品に初めて登場したAIキャラクターは、『アイアンマン』(2008年)に登場する、スタークの自宅や研究室を管理し、アイアンマンのスーツのシステムまでサポートするJ.A.R.V.I.S.だ。論理的な思考と冷静な判断力を備え、トニーの無茶な要求にも柔軟に対応するJ.A.R.V.I.S.は、人間を支えるAIの可能性を示した。しかし、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年)では、人類を守るために生み出されたはずのウルトロンが、人類こそ地球を脅かす存在だと判断し、世界を滅ぼそうとする最凶のAIへと変貌。人間の手を離れたAIが脅威となる危険性も描かれた。
ウルトロン役のジェームズ・スペイダーは当時、「インターネット上の膨大な情報にアクセスできるAIは、その能力を正しく使えるとは限らない。自分自身では制御しきれないほどの能力と知識を持つ危険性を持っている」と警鐘を鳴らしていた。
一方、同作で誕生したヴィジョンは、人間を守る道を選び、やがて一人の女性を愛するという“感情”も手にする。AIでありながら人間性を備えた存在として、新たな一面が描かれた。その後も、F.R.I.D.A.Y.やE.D.I.T.H.など、トニーの手によって改良と進化を重ねたAIキャラクターが登場し、MCU作品全体を通してAIの持つ多様な可能性が描かれてきた。ヴィジョンを演じるベタニーも、「マーベル・スタジオはAIの肯定的な未来像だけではなく、人類を支配したり、人間の主体性を奪ったりしようとする、非常に混沌とした危険な姿の両方を描いてきました。AIがもたらす未来と問題を、かなり先見的に捉えてきたと思います」と語っている。
そして今、AIは特別な技術という枠を越え、検索や情報整理、日々の暮らしの中でも自然に活用されるツールとして受け入れられている。一方で、画像・映像の生成や、誤った情報の拡散などAIの活用には、かつてスペイダーが語ったように新たな危うさも伴い、それを使う人間の判断やモラルも問われる時代となっている。そんな中で描かれる『ヴィジョンクエスト』では、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で戦いに敗れ“死”を迎えた後、かつての記憶をデータとして取り戻したヴィジョンの姿が描かれる。自分が何者なのかを見失ったヴィジョンが、“身に覚えのない記憶”を手がかりに、AIと人類との交流の中で自らの存在意義を探し求めていく。
ショーランナーを務めるマタラスは「私たちは、いわばAIの親のような存在です。AIをきちんと育て、新たな知性を世界へ導いていくのは私たちの役目です。それは、思いやりを持って接することかもしれないし、適切な歯止めを設けることかもしれません。我々のあるべき姿がこの作品では描かれています」と語る。
アベンジャーズをはじめとしたヒーローたちの活躍の裏で、AIの登場、発展、暴走、共存を物語の一部として描いてきたマーベル・スタジオ。本作では、この先の現実世界で訪れる、誰も予想できないAIの行く末が描かれるのか。
■配信情報
『ヴィジョンクエスト』
ディズニープラスにて独占配信中
出演:ポール・ベタニー、ジェームズ・スペイダー
製作総指揮:ケヴィン・ファイギ
©︎2026 Marvel
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』
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©︎2026 Marvel
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』
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©︎2026 Marvel
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
ディズニープラスにて見放題独占配信中
©︎2026 Marvel























