松井玲奈、“表現者”として広がる新たな可能性 「その鍵をどう開けるかは自分次第」
現在放送中のNHK夜ドラ『青の花 器の森』で主演を務める松井玲奈。長崎県・波佐見町を舞台に、絵付け職人として働く青子と、そこへやってきた器の作り手・龍生(一ノ瀬颯)が、器づくりを通して心を通わせていく大人のラブストーリーだ。約1カ月半に及ぶ波佐見町でのロケや、実際の職人から指導を受けたという絵付けの裏側。そして、表現者としてジャンルを越えて活躍する松井自身の「表現」に対するモチベーションの源泉について、たっぷりと語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
主演へのプレッシャーと方言・絵付けへの挑戦
ーー本作のオファーを受けたときの率直な感想をお聞かせください。
松井玲奈(以下、松井):最初は「本当にドッキリなのではないかな?」と思いました。主演を任せていただくのが本当に久しぶりだったので、「そんな日が来ることがあるのか」という驚きと、「責任重大だな」という思いがありました。でも、作品自体がとても魅力的でものづくりの要素があり、長崎県に約1カ月半も行くというのは、ドラマでもなかなかできない経験なので「飛び込んで、今自分ができる精一杯で挑戦してみよう」という思いでした。
ーー青子の魅力はどのようなところにあると感じましたか?
松井:天真爛漫さというか、自分の好きなものに向かってまっすぐ進んでいく力強さみたいなものは、青子の魅力の一つだなと思います。
ーー松井さんが演じられてきた役の中でも明るさが全面に出たキャラクターですが、演じる難しさはありましたか?
松井:一番難しかったのは方言です。方言を操りながらテンションをすごく上げたり、動き回ったりしなければいけなくて。映像のお芝居というより、少し舞台に近いアプローチをすることが多かったので、最初は結構戸惑いました。でも、だんだんと深川(栄洋)監督が見てみたいと思う青子の像が分かってくると、自然と「こういうこともしてみようかな」と自分からアイデアが出るようになって楽しかったです。
ーーアイデアを出されたとのことですが、現場では監督とディスカッションを重ねてキャラクターを作り上げていったのでしょうか?
松井:どちらかというと、深川監督の“催眠術”にかけられて青子ちゃんが出来上がっていった感覚に近いかもしれないです。私は割と真っさらな状態で現場に行き、そこで起きていることを監督が見て、「じゃあこういう方向で行ってみようか」と決めてくださる。それに乗っかっていく感じでした。原作とはテンションやアプローチが違うシーンもあって最初は驚いたのですが、映像で見ると、爆発する感情があったり、お互いのちょっと嫌な部分が見えたりする。普段なら人に見せない部分が見えているからこそ、距離が近づくのも早くなるのかなという説得力を感じて、深川監督の演出が面白いと思いました。
ーー本作では絵付けにも挑戦されていますが、そちらにはどんな難しさがありましたか?
松井:作業をしながらセリフを言うのが大変でした。皿板を持ってきて置いて、そこから取って絵をつけていく一連の作業は、割れ物を扱っているので慎重にならなくてはいけない。でも、慎重さが「怖がっている」ように見えてはいけないんです。彼女たちは365日ずっと器と向き合っているので、慣れた感じを出さなきゃいけないのが難しかったです。波佐見町にいる絵付け職人の方たちから指導していただいたのですが、皆さんが絶対に褒めてくれるんです。「すごい上手!」って。おかげでどんどん自信がついて、怖がることなく絵付けができるようになったと思います。