『ブラッサム』“珠”石橋静河の前に開かれた文学の扉 “今を生きる”姿が出世作と重なる

連続テレビ小説『ブラッサム』(NHK総合)第22話では、珠(石橋静河)の前に新しい扉が開かれた。
珠は、保(金子大地)とは兄妹ではないことをマキ(中村優子)に感づかれてしまった。そのことを保に相談すると、保は「わしに任しちょけ」と言って、マキと辰五郎(赤堀雅秋)に直談判。嘘をついていたことを認めた保は、事情を話し、このまま下宿に置いてほしいと言って土下座する。珠も頭を下げ、見かねた辰五郎も一緒に頼み込む。やや長い”間”を経て、マキが口にしたのは「目つぶるよ」。続いて流れるYOASOBI「咲き誇れ」で一気に緊張から解放された。

下宿を追い出されずにすんだ珠は、マキに岩国での経験を打ち明ける。「あんたが帝大さんを見る目は恋人を見る目」と指摘するマキは、珠と保が単なる同居人ではないと疑っている。「今はまだ、恋をするのが恐ろしいんです」と答えた珠は、失恋の痛手を引きずっていた。
珠の日課は、家事以外は書店「ぶくぶく堂」に行ったり、小説を読むくらいだ。保はそれを気にしていて、珠に小説は書かないのかと尋ねる。書きたいことはないかと問われて、珠が返した答えは「岩国」。東京にいる珠の思いは故郷の岩国にあった。そうして、ふたたび珠は筆を執りはじめる。

「その日の岩国の空は澄み切っていて、初めて教壇に立つ幾ばくか緊張した吉子の背中を押してくれているようだった」
「空」といえば、石橋静河は、2017年公開の『映画 夜空はいつでも最高密度の青空だ』で注目を集めた。最果タヒの詩集から着想を得た同作は、東京を舞台に明日なき日々を送るひと組の男女を描いた作品。珠が故郷の空を思い浮かべる描写に、時空を超えて「今」を生きる主人公が重なった。

さて、保との暮らしは珠にとって満ち足りた時間だったが、保の父・勲(木内義一)が入院したことで仕送りがストップしてしまう。生活費を稼ぐため働くと言う保に、珠は自分が働くと宣言。仕事が見つからず困っていた珠に、辰五郎が教えたのが新聞に掲載されていた西洋料理店の求人で、珠はさっそくその「悠樂軒」を訪ねた。
汎用性の高いこざっぱりした髪型をした店長の熊田(斎藤司)は、珠を気に入り即採用。こうして、珠はレストランの給仕として働くことになった。今はなき本郷にあった「燕樂軒」は大正7年に開業し、文豪や作家が集う店として知られた。遠い岩国の空に思いをはせながら東京での生活に身を投じる珠に、どんな出会いがあるだろうか。
■放送情報
2026年度後期 連続テレビ小説『ブラッサム』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜から金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:石橋静河、加賀まりこ、松たか子、国仲涼子、渡部篤郎ほか
作:櫻井剛、小松與志子
主題歌:YOASOBI
制作統括:村山峻平、櫻井壮一
プロデューサー:大野陽平
演出:盆子原誠、中泉慧、佐藤玲衣、田中陽児、小林直毅、野田雄介
写真提供=NHK




















