寺島拓篤「鈴代紗弓がニュースタンダード」 『帰還者の魔法は特別です』で深まった信頼

寺島拓篤×鈴代紗弓『帰還者』対談

 過去へ戻り、滅亡するはずだった未来を変える――。TVアニメ『帰還者の魔法は特別です』は、13年前の世界へ回帰したデジールが、かつて仲間たちを失った未来を繰り返さないため、再び歩み始める物語だ。第1期では、ロマンティカやプラムとパーティを結成し、仲間たちを導きながら自らも戦いへ身を投じていく姿が描かれた。

TVアニメ「帰還者の魔法は特別です」第二期 第2弾PV | 2026年10月7日(水)より放送開始

 10月よりフジテレビ深夜アニメ枠「+Ultra」ほかにて放送される第2期では、デジールたちの戦いがさらに本格化。それぞれが修練を重ね、成長を遂げた仲間たちとともに、デジールは未来を変えるための新たな戦いへと身を投じていく。第1期を経て結束を深めたパーティが、待ち受ける戦いにどう立ち向かっていくのかにも注目だ。

 デジールとロマンティカの声を務めるのは、寺島拓篤と鈴代紗弓。第1期から積み重ねてきた掛け合いの中で、2人はキャラクターの変化をどのように捉えているのか。お互いの芝居についても聞くと、寺島からは鈴代を「これからしばらくのニュースタンダードになる」と評する言葉も飛び出した。第2期で深まったキャラクターへの理解と、共演を通して感じた互いの魅力を語ってもらった。

寺島拓篤「“今”を感じながら芝居をする瞬間が増えた」

寺島拓篤

――第1期の放送から約3年が経ちました。あらためてデジール、ロマンティカを演じられると聞いた時は、どんな気持ちでしたか?

寺島拓篤(以下、寺島):僕は今、「もうそんなに経ってるんだ」と思ったくらいで(笑)。そこまで久しぶりという感覚はなかったんです。第2期自体は第1期が終わった時点で割と早めに発表されていたので、その時は「先は長いな」と思っていたのですが、いざ始まるとなったらすっと元に戻れたというか。「やっとだ!」というよりは、「来た来た」という感じでした。適度に待っていました感はありつつ、自然とデジールに戻れましたね。

鈴代紗弓(以下、鈴代):第2期の放送が決まってすごく嬉しかったです。第1期の終わり方も、「ここからまた第2ラウンドだ!」という気持ちのまま終われる感じだったので、成長したみんながここからどう戦っていくのか、すごく楽しみでした。ロマンティカとしても、大切なことを語るシーンが第2期では出てくると伺っていたので、そこを演じられることへの期待もありましたし、何より「またこのメンバーでできるんだ!」という喜びが大きかったです。

鈴代紗弓

――第1期の終盤から第2期にかけて、パーティとしてもかなりいい関係になっていますよね。

寺島:本当にいいパーティになってるんです(笑)。第1期と第2期の間、アニメでは描かれていない時間の中での交流も結構大きかったんだろうなと思っていて。そこでより“仲間”として仕上がった感じがします。ロマンティカも1人で修行した分、ちょっと器が大きくなっていて。それがまた、いいバランスになっているなと思いました。

――アゼストも表情や感情を出すようになって、ずいぶん柔らかくなりました。

鈴代:そうなんです! 「自分からそんなこと言うんだ?!」みたいな(笑)。今までプラムとロマンティカの2人でやっていたようなやり取りに、ちゃんとアゼストも入ってきてくれる感じがあって。

寺島:最初はデジールに対するライバル心がすごく強かったですけど、ロマンティカやプラムをちゃんと仲間として見ているし、場合によっては自分のほうが弱いくらいに捉えているところもあって、面白い変化ですよね。

――第1期から第2期まで演じてきて、ご自身のキャラクターに対する印象にも変化はありましたか?

寺島:デジールに関しては、演じ方の面でも変わったところがあります。第1期の時は、「主人公だから」とか「みんなを守らなきゃ」というヒロイックなテンションではありません、ということを結構何度も言われて。僕はついついそういうふうに演じてしまいがちだったのですが、もっとネガティブな、仲間を失ったことに対する自責の念や後悔、復讐心みたいなものをエネルギー源として大事にしていこうと。それは演出でもかなり意識させてもらいました。

――第2期では、そこにも変化が?

寺島:抱えているもの自体は変わっていないんです。ただ、第2期になって、もう少しヒロイックに演じても大丈夫だろうと思える箇所が増えました。それから、みんなとのやり取りの中でも、過去の後悔をにじませるより“今”を感じながら芝居をする瞬間が増えたんです。だから、少しフットワークというか、肩の力が抜けた印象があります。もちろん、デジールが目指しているのは「あの時の失敗を繰り返さない」ということなので、ところどころでシリアスな部分は出てきますが、その見せ方は第1期とは変わってきたかなと思います。

――その中でも、デジールにとってロマンティカの存在はかなり大きくなっているように感じました。

寺島:大きいです。3人それぞれ役割も立場も違うし、デジールから向いているベクトルの意味合いも変わってくるんですけど、その中でもロマンティカはちょっと特別なんですよね。一緒に2人で景色を見るシーンだったり、再会した時の言葉の掛け合いだったり。あとは、ロマンティカがそこにいない時にも、デジールが彼女に向けている信頼が見えたりする。端々でちょっと特別感が出ているなと思っていたので、それが自然とにじみ出るように演じていました。

――特に、その変化を感じた場面はありますか?

寺島:ロマンティカが絶妙なタイミングで助けに来てくれる場面は印象的でした。それまでデジールにとってロマンティカは、ある意味では“育てる対象”だったと思うんです。でも、自分が想像していなかった形で助けに来てくれた。そこで「ロマンティカだからこそだよな」という喜びと、彼女の成長に対する嬉しさ、それからデジールの中ですでにできあがっていた信頼感がちゃんと重なったんですよね。デジールはずっと「もう失わないぞ」という過去に囚われた思いを持っていますけど、その瞬間は過去ではなく、“今”起きていることに対する感動があった。だから、今まで見せたことのない表情が出てきたんだと思います。過去のおさらいじゃないところへデジールが行き着いているというのは、ストーリー全体としても結構キーになっているんじゃないかなと思います。

鈴代:ロマンティカは、第1期の頃は1人で強がっている感じがあったと思うんです。そこからデジールと出会って、自分のできていない部分をちゃんと「ここだぞ」と教えてもらって、頑張ることの大切さも学んで。さらにプラムという仲間ができて、どんどん成長していきました。第1期はわちゃわちゃしたり、ちょっとドタバタしたりするところも多くて、寺島さんがおっしゃったように、まだ「成長しなきゃ」という部分が強かったと思うんです。でも、第1期を経て、第2期までの時間の中で、ちゃんと1人で立てるようになっている。今までは「私はこうなりたい」と言っていても、もしかしたら少しはったりが入っていたところもあったかもしれないけど、そこにちゃんと実力が伴ってきているんですよね。それが見えるシーンが第2期はすごく多いなと思います。

――パーティの中での役割も変わっていますよね。

鈴代:そうですね。第1期の後半ではプラムと背中を預け合えるくらいになっていましたけど、第2期ではより、1人の戦力として戦っていける自信が本人にもついている。それが周りにも伝わっているから、パーティのバランス自体も変わったなと思っています。それだけ成長したからこそ、デジールのちょっとした感情も察知できるようになったのかなって。自分にできることを無意識の中でいろいろ考えるようになったからこそ取れる行動もありますし、本当に“大人になるための大きな一歩”を踏み出しているキャラクターだなと感じています。

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