蒼井優、『Tシャツが乾くまで』は“10年に1本”の作品 「人生の選択を見守っていただけたら」
TBS系金曜ドラマ『Tシャツが乾くまで』で咲子役を演じる蒼井優のインタビューコメントが公開された。
本作は、とある事故に巻き込まれた2組の夫婦の“愛”と“秘密”を描くオリジナルストーリー。ある夏の日、当たり前に続いていくと思っていた2組の夫婦の幸せな日常が、事故をきっかけに突如として崩れ去っていく。さらに、その事故が暴いたのは、愛する人の“第3金曜日の秘密”だった。2組の夫婦の喪失から始まる“愛”と“秘密”の物語が描かれる。
充(松山ケンイチ)に“失踪癖”があることが分かった一方で、第9話では咲子(蒼井優)に離婚歴があり、それも“バツ4”であることが明かされた。互いの過去を理解し、夫婦としてまた普通に暮らすことを選んだ2人だったが、相手に気を使いながらの生活は以前のような楽しいものではなかった。頑張ることに疲れた咲子は、洗濯機の乾燥フィルターが破れたと同時に、充に別れを提案する。
地上波連続ドラマ主演は18年ぶりとなる蒼井は、視聴者の反応について「ドラマを見てくださっている方たちと、作っている側が循環しているといいますか、皆さんと一緒に作品を作っている感覚になれて、楽しかったです」と語った。
生方美久の脚本については、「『こんなこと言わない方が、見ている人はすっと受け入れられるよな』と思うことも、生方さんはあえてその言葉をチョイスされている」と振り返った。
本作について蒼井は、「昔、先輩に『心から楽しめて、やってよかったと思える作品って、10年に1本あれば幸せなほうだよ』と言われたことがあった」というエピソードを紹介したうえで、「私の中ではこの作品がその1本だと、心から思います」と力強く語った。
蒼井優(咲子役)コメント
視聴者の反響について
(地上波連続ドラマの主演をした)18年前は独身で、撮影の間はドラマの撮影現場と家の往復だったのですが、今は子育てをしながらお仕事させていただいているので、街に出ることが多いんです。よく「さっちゃん(咲子)、応援しているよ」と声をかけていただきます。すごくうれしい半面、咲子の大元を知っている身としては、「(第9話の咲子を見て)どんな気持ちになるんだろう…」と、少しドキドキもしていました(笑)。
私自身はSNSをやっていないのですが、撮影現場でスタッフさんから「SNSでこんな反応があったよ」「知り合いはこう言っていたよ」など共有してもらっていました。ドラマを観てくださっている方たちと、作っている側が循環しているといいますか、皆さんと一緒に作品を作っている感覚になれて、楽しかったです。エールをもらいながら撮影ができるのは、地上波の連続ドラマのスケジュールならではだなと思います。
脚本の捉え方への変化について
「こんなこと言わない方が、観ている人はすっと受け入れられるよな」と思うことも、生方さんはあえてその言葉をチョイスされているので、最初はその言葉の強さを「どう落とし込もう」「なぜこの言葉を選んだのだろう」など、たくさん考えました。
本読みの段階では「こうしてみましょうか?」といろいろなディスカッションをしたのですが、やっぱり最終的には生方さんが書いたセリフに着地するんです。「これ以上はないな」と実感してからは、いかに台本に書かれた言葉に意味を持たせるか、どう濃淡をつけていくかの作業を大事にしました。すごく楽しかったです。
ただナチュラルにやればいいということでもなく、生方さんのちょっとロックな部分を感じながら、演じていましたね。「雰囲気作るなよ、私」と思いながら(笑)。
咲子の根底にある価値観について
難しいですね……。“これだ”というものがなかった気がします。周りに流されやすくて、相手によって見せる面を変える癖があるので。でも、“充を信じる”“充のことが好き”という部分に関しては、強いものがあったと思います。はたから見たら「園田(樹生)さん(中島歩)の方が一緒にいて楽そうだよ」と思うだろうけど、咲子が好きなのは充。理由を聞かれたら「好きだから」としか説明しようがないのですが……。
撮影で苦労したシーンについて
第1話の最後で、園田さんに「あなたの夫、僕の妻と不倫してましたよ」と言われたコインランドリーでのシーンは、撮影が始まったばかりの頃に撮ったので大変でした。まだ役が回転し始める前ですし、咲子と園田さんも知り合ったばかり。役同士でノッキングを起こしているのか、俳優同士がノッキングを起こしているのか、そこの線引きが難しいタイミングでもあったので、あのシーンはみんなで意見を出し合って、一緒に乗り切った感じがあります。
何より監督が土井(裕泰)さんでよかったです。土井さんはセリフを整理してくださるのが本当にお上手で。「ここはこうしましょう」「咲子は今、こういう気持ちです」みたいな感じで、状況や役の心情を丁寧に分かりやすく説明してくださるんです。私たちが何かを思う前に監督はそのシーンについて考えていらっしゃるので、監督の中での答えが常にある。キャラクターにも寄り添ってくださいますし、冷静に判断してくださるので、いつも助けていただきました。すごく信頼しています。
印象的だったシーンについて
たくさんありますが、第10話(最終話)で松山さんがテストではやっていなかったお芝居をされたときがあって。カットがかかった後、松山さん自身も「びっくりした!」とおっしゃっていましたけど、私もびっくりしました。何かをやろうとしていたわけではなく、充にかっちり入った状態で咲子と向き合って、自然とそうなったみたいで。そのシーンに限らずですが、想像していなかったお芝居を見られたときはすごくうれしいですね。一緒にやっていて楽しい人たちばかりだったので、「あのシーンのあの人の目の動き、こうだったな」など、いろいろなことが今も心に残っています。
意外な一面が見えた共演者について
皆さん素晴らしい方ですが、特に感動したのは、高橋(文哉)さんの現場に対する誠実さ。高橋さんって、スタジオのセットから出ないんです。いつ呼ばれてもすぐに自分の立ち位置に行けるところで待機されていて。しかもそれをさらっとできるのがすごいなと。私があの年齢のときには絶対にできていなかったし、できたとしても褒められたくて“やっている感”を出していたと思います(笑)。人としての出来が違うなと思いました。
どのような「色」を残す作品になりそうか
昔、先輩に「心から楽しめて、やってよかったと思える作品って、10年に1本あれば幸せなほうだよ」と言われたことがあったんです。「それ以外はやっぱり苦しいし、納得いかないこと、つらいことがいっぱいあるけど、10年に1本ぐらいはそういう作品に出会える。そうしたらまた次も頑張れるよ」って。私の中ではこの作品がその1本だと、心から思います。連続ドラマで主演することは大変ですし、やらなければ無傷で済むんですけど、やっていなかったらこの喜びを知らなかったかもしれない。オファーをいただいたときに「やってみよう」と決めて本当に良かったなと思います。
そんな自分以外に対しては、本当に感謝しかない作品ですが、自分に対しては反省点がたくさんあります。これだけの条件がそろった中でできなかったことが自分の中にはある。いつか、また18年後にでも(笑)、この雪辱は晴らしたいなと思います。本当にこんなにも幸せな環境の中で学べてよかったです。
視聴者へのメッセージ
最終話、皆さんが誰を応援したくなるのか、私たちには想像がつきません。第1話から観て、今頃プンプンされている方もいらっしゃるかもしれないですが(笑)、いろいろうまく生きられない私たちがどんな人生の選択をするのか、見守っていただけたらと思います。
そして、松山さん演じる充の“ある表情”を見ていただきたいです。見ていただいたら「ここだな」とたぶんすぐ分かると思います。気づいていただけたらうれしいです。
■放送情報
金曜ドラマ『Tシャツが乾くまで』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
U-NEXTにて、各話放送直後より配信
Netflixにて配信中
出演:蒼井優、中島歩、高橋文哉、夏帆、松山ケンイチ、リリー・フランキー、臼田あさ美、齋藤飛鳥、庄司浩平、久保田薫、飛永翼ほか
脚本:生方美久
演出:土井裕泰、塚本連平、小牧桜
音楽:haruka nakamura
主題歌:スピッツ「見知らぬ糸」(Polydor Records)
プロデューサー:千葉行利、宮川晶
製作:ケイファクトリー、TBS
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/tshirt_ga_kawakumade_tbs
公式X(旧Twitter):@tshirts_tbs