甲斐翔真、デビュー10年目で掴んだ転機を語る 『風、薫る』で実感した“舞台経験の意味”

舞台で特訓した5年間が活きたNHKドラマでの撮影

――今作が初めての朝ドラ出演となりますが、これまでの現場との違いについてはいかがですか?

甲斐:『仮面ライダーエグゼイド』(テレビ朝日系)でデビューして10年。この5年間は主に舞台で経験を積んできました。今年、『ラジオスター』や今回の『風、薫る』といったNHKの映像作品に出させていただいたのですが、NHKの撮り方ってカメラを複数台使って頭から最後まで長回しをする、舞台のような手法なんです。この5年間、舞台で特訓して新しい世界を探求してきたことが見事に活きて、「やっていてよかったな」と心から思えました。芸歴10年目にしてこの朝ドラに出会えたことには、すごく意味があると感じています。

――出演への反響についてはいかがでしょうか?

甲斐:反響としては、SNSなどでおばあちゃん世代の方々からかわいらしいメッセージをいただくようになりました。全国の皆さんと繋がれたような感覚がありますね。また、僕の母は看護師なんです。子どもを育て終わってから再び学校に通って国家資格を取った人で。そんな看護に対する強い思いがある母にとって、息子が看護婦の主人公の夫役を演じるというのは想像できないくらいうれしいことだったみたいで、出演が決まったときは泣いていました。僕自身も、非常に縁深く感慨深いものを感じています。

――演じていて特に心が動いたシーンを教えてください。

甲斐:出征を前に、生まれてくる子どもの名前を考えるシーンです。直美と出会う前は「国のために身を捧げる」くらいの気持ちだったのが、お腹に子どもがいるとわかり、名前を考える中で変化が生じていって。生きて会えるかもわからない中で、初めて「帰ってこなくちゃいけない理由」が生まれ、「絶対に帰ってきたい」と心から思わされました。

――特に幸せを感じたシーンについてはいかがですか?

甲斐:幸せだったのは、吾郎が肉じゃがを作る背中を見て、直美が「今日は何作ってくれるの?」と後ろから声をかけるような、本当になんでもないような日常のシーンです。生と死が絡んでくる作品の中で、僕らのシーンを撮っているときは、現場にいるみんなの口角が自然と上がっていました。

――最後に、視聴者の皆様へメッセージをお願いします。

甲斐:吾郎は、時代や国、職業をすべて除いても、世にも珍しいほど真っ直ぐで美しい人です。そんな吾郎を演じる中で、現代において「敬う」ことはできても、心から「尊ぶ」ことって意外とできていないのかもしれないと、僕自身もハッとさせられました。吾郎を通して「人を尊ぶことの尊さ」が伝わればいいなと思います。

■放送情報
2026年度前期 NHK連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:見上愛、上坂樹里
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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