haruka nakamuraが語る『Tシャツが乾くまで』音楽の深み 「一歩踏み込んだメロディーを」

 蒼井優主演のTBS金曜ドラマ『Tシャツが乾くまで』の音楽を担当するharuka nakamuraのインタビューコメントが公開された。

 本作は、脚本家・生方美久による完全オリジナルストーリー。とある事故がきっかけで、当たり前に続いていくと思っていた幸せな日常が突如崩れ去ってしまった瀬尾咲子(蒼井優)と瀬尾充(松山ケンイチ)、園田樹生(中島歩)と園田あずさ(夏帆)の二組の夫婦の喪失から始まる“愛”と“秘密”を描く。

 本作の音楽を手がけるのは、劇場アニメ『ルックバック』(2024年)をはじめ、映画、ドラマ、CMなど幅広いジャンルの音楽を手がけてきたharuka nakamura。TBSドラマの劇伴音楽は今回が初となる。

 haruka nakamuraは、土井裕泰監督からの指名で参加が決まったことについて、「尊敬する土井監督が指名してくださったとのことで、ご一緒にものづくりができることを光栄に思い、僭越ながら引き受けさせていただきました」と喜びを明かした。

 生方の脚本については「とても素晴らしく、緩急があり、引きつけられました。脚本から、登場人物たちの心情に寄り添った音楽をイメージすることができました」と印象を語る。

 音楽制作にあたっては「土井監督からは、アンビエント(環境音楽)な雰囲気にまとまりすぎず、フレーズが印象に残るもの、そのフレーズとドラマのイメージが直結するようなメインテーマをリクエストいただいたので、登場人物たちの心情を表すような一歩踏み込んだメロディーを紡ぐ意識で、曲たちを作りました」とコメントした。

haruka nakamura(音楽家)コメント

土井監督からの指名での参加について

土井監督の作品は少年時代から影響を受けてきました。特に印象的だったのは野島伸司さん脚本の作品や、火曜ドラマ『カルテット』(TBS系)なども。
そんな尊敬する土井監督が指名してくださったとのことで、ご一緒にものづくりができることを光栄に思い、僭越ながら引き受けさせていただきました。

生方美久の脚本を読んでの感想

とても素晴らしく、緩急があり、引きつけられました。脚本から、登場人物たちの心情に寄り添った音楽をイメージすることができました。
コインランドリーという場所を軸に人間模様が交錯していくところも印象的ですよね。初回から大きな展開が続いていますが、どこか不思議な世界観の中で物語が進んでいくところが興味深く、見ている方々からはさまざまな考察がなされるだろうと感じました。
そして、やはり主演の蒼井優さんの演技には毎話圧倒されています。

本作の音楽の制作過程について

「話の展開はさまざまあれど、大きなテーマとして“隣にいる夫婦であれ、本当のところは分からなかったり、理解し合えていないところもありながらも生きている”というものがある」と土井監督からご説明いただきました。それらを抱えながらも前に進んでいく、慈しみのようなものがある物語だと捉え、登場人物たちの人間模様とともに寄り添うような音を意識しました。
土井監督からは、アンビエント(環境音楽)な雰囲気にまとまりすぎず、フレーズが印象に残るもの、そのフレーズとドラマのイメージが直結するようなメインテーマをリクエストいただいたので、登場人物たちの心情を表すような一歩踏み込んだメロディーを紡ぐ意識で、曲たちを作りました。
落とし込みの作業では、まずシーンのキーワードを伺ってから、マネージャーであり、いつも音楽制作として携わってくれているone cushionの山口響子とシーンのイメージなどを意見交換しながら、二人三脚で制作しました。

普段の劇伴音楽作りで意識していること

物語へ捧げる音楽としては作品に寄り添って混ざり合うことが大切だと感じています。それがフィルムスコアリング(映像のカット割りを元に、音楽のタイミングを合わせながら作曲を行う手法)でも、今回のように完成した映像を見る前にインスピレーションから多くの楽曲を作り、(後で映像に)それらを織り交ぜていただく場合でも、音楽の自我を押し付けるのではなく、並走するようなイメージで作るように、なるべく心がけたいと思っています。

ドラマ以外の音楽の制作面での違いについて

ここ数年は、さまざまな作品の劇伴音楽に携わらせていただいていますが、もともとはオリジナル・アルバムをリリースしてライブ活動を続けていました。劇伴音楽とオリジナルの違いについては興味深く考えています。
今回は、土井監督が指名してくださったこともあり、当初から音楽に対しての世界観が共有されていたので、僕の本来の音楽性からかけ離れたものではなく、音への信頼を感じていました。また、物語からのインスピレーションも多分にあったので、ありがたいことに自然に音楽を作ることができました。

今回の制作過程を振り返って

今回は、シーンについてキーワードをいただいて、それについて僕が自由に思うままに作ったものを、監督をはじめ、スタッフの皆さんに受け入れていただくことができました。自然体なスタイルで取り組めたので、自分のサウンドのままで表現できたような気がします。
映像を拝見すると、スタッフの皆さんのおかげで音楽がそっと寄り添っているような形で完成していました。

視聴者へのメッセージ

作品の力が素晴らしいおかげで、多くの方々に僕の音楽も届いているようです。懐かしい友人から連絡がくるなど、ドラマの力を感じました。
発表した後の作品は、自分の中からは手放すようにしていて、受け取っていただいた方のものとして考えています。最後まで皆さんの日常を少しでも彩ってくれることを願っています。

■放送情報
金曜ドラマ『Tシャツが乾くまで』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
U-NEXT、Netflixにて配信
出演:蒼井優、中島歩、高橋文哉、夏帆、松山ケンイチ、リリー・フランキー、臼田あさ美、齋藤飛鳥、庄司浩平、久保田薫、飛永翼ほか
脚本:生方美久
演出:土井裕泰、塚本連平、小牧桜
音楽:haruka nakamura
主題歌:スピッツ「見知らぬ糸」(Polydor Records)
プロデューサー:千葉行利、宮川晶
製作:ケイファクトリー、TBS
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/tshirt_ga_kawakumade_tbs
公式X(旧Twitter):@tshirts_tbs

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