『風、薫る』佐野晶哉が「愛おしいです」に込めた思い 見上愛と作り上げた涙の舞台裏
NHK連続テレビ小説『風、薫る』より、島田健次郎を演じる佐野晶哉のインタビューコメントが公開された。
朝ドラ第114作目となる本作は、明治時代の医療看護の世界を舞台に、トレインドナースを目指す2人の女性の成長を描くバディドラマ。
佐野が演じる島田健次郎は、新しく生まれた言葉や外国語に造詣が深く、りんの良き相談相手になっていく人物。実家は浜松の料理屋で、姉3人兄1人の5人きょうだいの末っ子。ニックネームは「シマケン」。小説家を志しながら、活字工として新聞社で働いている。綿貫編集長のすすめで、女郎・夕凪が心中を図った話を誇張して記事を書いたところ大評判となるが、事実とは異なる記事が世の中に影響を与える様を肌で感じ、健次郎は文字の力を思い知る。次に綿貫にすすめられたのが、他人の小説を批評する書評の執筆。気乗りしないまま書評を書く健次郎だったが、またもやこれが評価されてしまう。
「一とんびする」は健次郎が考えた造語で、「紙飛行機(とんび)を一つ飛ばす程度に、もやもやした気持ちが晴れること」の意味。
第18週の最後では、りんに会いに新潟へ向かい、海でのふたりのシーンが描かれた。佐野は「あのシーンはシマケンがひとつピリオドを打つような、男らしく気持ちを伝えるシーンにしたい」と演出陣から伝えられ、言い方やセリフを相談しながら作り上げたと明かした。
佐野晶哉(島田健次郎役)コメント
シマケンを演じる上での意識の変化
他のドラマや映画などと比べて“朝ドラ”は撮影の日数が長いので、役に対する思い入れや理解は深まっている気がしますし、演じていくうちに最初に思っていたシマケン像とは全然違うのだと感じました。
登場週(第3週)では自分が知っていることを話すときだけスラスラとテンポよく話し、りんに対しては不器用で少しそっけない対応をしていましたよね。それが、気づいたら美津さんや安さん、更にお隣さんとまでと仲よくなって。心を許した相手には笑顔を見せて懐に入ってしまうキャラクターなのだと演じていくうちに知りました。
こんなに笑うキャラクターだとも思っていなかったのですが、それは周りのキャストの皆さんに引き出してもらった感覚があります。台本を読み進めると「確かにシマケンはこんな人だよなぁ」と今まで僕が演じてきたシマケン像とつながる気持ちのよい瞬間もあり、パズルが完成していく感覚になります。
1年かけて撮影させていただけるからこその役作りのおもしろさを実感しています。
第18週ラストの海辺のシーンについて
あのシーンはシマケンがひとつピリオドを打つような、男らしく気持ちを伝えるシーンにしたいと演出の皆さんがおっしゃっていたので、とても悩み、言い方やセリフもたくさん相談して作ったシーンです。
りんを真っすぐ見つめながら「愛おしいです」とセリフを言ったら僕もなぜか泣いていたし、そのあとの見上さんもボロボロ泣いていて。撮り終わったあと演出の方とカメラチェックしたとき、すごくいい顔をした見上さんの表情を見て「あぁよかった」と思いました。僕にとっても特別なシーンになりましたね。
今後のシマケンへの思いについて
第18週の海のシーンでは、“朝ドラ”のなかで主人公の恋に関わる相手としての大きい仕事を一つできたのではないかとうれしくて。見上さんからすてきな表情を引き出せて「ああ、僕の仕事ってこういうことなんだな」と改めて思ったんです。「シマケンがこう見えるように」とか「シマケンの感情が」とかではなく、『風、薫る』のりんと直美というふたりの主人公がどのように見えるかが大切だと思いました。
これから先のシマケンがどうなるかまだ分からないですが、ふたりの主人公や、その家族にいい影響を与えて作品のいいスパイスになれるようにこれからも精いっぱい演じていこうと思います。
■放送情報
2026年度前期 連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から土曜8:00~8:15放送
※土曜は1週間を振り返り ※NHK ONEで同時・見逃し配信あり
NHK BS・BSプレミアム4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送
出演:見上愛、上坂樹里ほか
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
音楽:野見祐二
主題歌:Mrs. GREEN APPLE「風と町」
語り:研ナオコ
制作統括:松園武大、宮本えり子
プロデューサー:葛西勇也、松田恭典
演出:佐々木善春、橋本万葉、新田真三、松本仁志ほか
写真提供=NHK