『ラストノート』“葵”内田有紀ד優子”坂井真紀の友情にヒビ? “澄晴”寺西拓人をめぐる愛憎

 暗闇から一転、太陽のような澄晴(寺西拓人)の笑顔で幕を開けた『ラストノート』(フジテレビ系)第4話。詐欺まがいの仕事から足を洗った澄晴は、自分を明るいほうへ導いてくれた葵(内田有紀)に思いを募らせていく。だが、嫉妬や愛憎から生まれた暗雲が、確実に2人に忍び寄っていた。

 葵に160万円を必ず返すと約束し、1週間後の19時に最初の返金をするから同じ場所に来てほしいと伝えた澄晴は、いくつものアルバイトを掛け持ちして必死に働く。以前とは違い、短時間で大金を稼げるわけではなく、肉体的にもハードな仕事だ。それでも、どこか楽しそうなのは、生きている実感を得られることと、心に葵の存在があるからだろう。返金を口実に、葵に会えることが澄晴の大きなモチベーションになっていた。

 一方、ギリギリまで澄晴との待ち合わせ場所に行くことを躊躇っていた葵。それはまだ澄晴のことを心から信じ切れていないからだ。今まで口八丁手八丁で女性を騙してきた人間の変わりたいという言葉を素直に受け止めていいのか。ましてや、澄晴は親友である優子(坂井真紀)が好きだった相手。これ以上、会い続けていいのものなのかと葵は迷っていた。

 そんなときに偶然再会したのが、莉奈(桜井日奈子)だ。以前、葵はホテルでパパ活相手と揉めていた彼女に優しく声をかけた。そのときとは180度異なる自分を見られた莉奈は、家庭の事情で保育士を諦めたこと、ベビーシッターとパパ活でどうにか生活している状況を打ち明け、将来への不安を口にする。そんな莉奈に、葵がこれといった言葉をかけなかったのは自身の経験によるものだろう。

 夢を手放す辛さも、そういうときは周りからの共感も正論も意味をなさないことも、葵はよく知っている。だから、相手が自分の気持ちと向き合えるように、ただただ話を聞く。そんな葵だからこそ、澄晴も莉奈もつい本音を話してしまうのではないだろうか。「最後まで責任取れないし」という葵に、「難しく考えすぎ。ただ、見ててくれたらいいの。それだけで頑張れる気がするんだよ」と返す莉奈。それを聞いた瞬間、葵の頭に澄晴の顔が浮かんだ。澄晴の恋人である莉奈の言葉が葵の背中を押し、澄晴との待ち合わせ場所に向かわせるなんて、なんて皮肉なのだろう。

 待ち合わせ場所に少し遅れてやってきた澄晴は、お詫びに葵をファストフード店へ連れていく。詐欺師の仮面をつけていた頃は年齢よりも落ち着いていて、涼しい顔で女性をエスコートしていた澄晴。だが、葵の前で見せる少し落ち着きがなく、話もたどたどしい彼が本当の彼なのだろう。澄晴が絞り出した「トマトはストレスを感じると超音波を発するらしい」という豆知識を聞き、葵はハンバーガーに挟まったトマトに耳を傾ける。けれど、何も聞こえず、「年のせい?」とショックを受ける葵に、澄晴は思わず吹き出した。そのあまりに微笑ましいやりとりが、純愛ラブストーリーとしての本作の魅力をより一層際立てていた。

関連記事