『新劇場版☆ケロロ軍曹』をリアタイ世代はどう観たのか パロディと様式美の思い出
リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、『妖怪ウォッチ』世代とは微妙に外れてしまった徳田が、『新劇場版☆ケロロ軍曹 復活して速攻地球滅亡の危機であります!』をプッシュします。
『新劇場版☆ケロロ軍曹 復活して速攻地球滅亡の危機であります!』
国内アニメ映画史における2026年は、『超かぐや姫!』『花緑青が明ける日に』『パリに咲くエトワール』など意欲的な作品とともに幕を開け、前年に『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が公開されていたこともあり、一つの節目として記憶されるだろう(元日に『迷宮のしおり』が公開されていたことも忘れてはならない)。
そんななか、独我的なパロディと局所的なノスタルジーに振り切った『新劇場版☆ケロロ軍曹 復活して速攻地球滅亡の危機であります!』は異彩を放っている。『ケロロ軍曹』のアニメシリーズ20周年記念として企画された本作には、TVアニメシリーズのオリジナルキャスト陣が再集結した。今後予定されている新アニメシリーズではキャストが一新されるというから、旧来のファンにとってはメモリアルな一作になるだろう。
もっとも、作中で展開されるパロディは『ケロロ軍曹』のそれというより、完全に「福田雄一」であることは知っておく必要がある。解禁されたキャスト情報や場面写真などからそれは明らかであるが、福田の作風については、まぁ無視しておこう。
総監督が自らの引き出しの中身を自由にばら撒いているのなら、こちらも本編を観ながら当時の思い出を好き勝手に蘇らせることで釣り合いが取れる。私はこのアニメシリーズに熱狂的に入れ込んできたとはいえないが、幼少期の「特に理由もなく毎週必ず観る枠」にエントリーしていたくらいには身近だった作品の一つのフィナーレとして、それなりに感慨深いものがあった。
まず冒頭、ケロロが例によって役に立たない「侵略計画」をギロロに打ち明けるのだが、内容のあまりの幼稚さに憤慨してビームライフルをぶちかます。そういえばこういうやりとりも様式美だったなと、ふと思い返すことになる。
そして最初の「パロディ」として登場するのが『妖怪ウォッチ』である(具体名を出してしまっていいだろう)。渋谷に「妖怪」が現れたというのでケロロ小隊と冬樹&夏美が様子を見に行き、そこでゴタゴタバトルが始まる展開だ。ウィスパーやジバニャンっぽい何かが登場し、ジバニャンっぽい巨大ロボットにタママインパクトが炸裂したりする。タママとジバニャンの声優が同じく小桜エツ子なので必然性のあるパロディである。ちなみに結果的にこれはタイムリーな描写にもなった。なぜならワールドカップのような大型スポーツ大会が開かれると、現実の渋谷にも妖怪が大量発生するからだ。