『トイ・ストーリー3』なぜシリーズ最高評価? アンディとウッディの物語の美しい着地点

 ディズニー&ピクサーによるアニメーション映画『トイ・ストーリー3』が、6月26日21時より『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で放送される。

 同作は根強いファンがいる『トイ・ストーリー』シリーズのなかでも、“最高傑作”と呼ばれることが多い作品だ。なぜ別格とも言えるほどの評価を受けているのか、その理由をあらためて考えてみたい。

 まずはあらすじから振り返ろう。『トイ・ストーリー3』の物語は17歳になったアンディが大学の寮に引っ越すため、部屋のおもちゃを整理するところから始まる。

 アンディは一番大切な相棒だったウッディを寮に持っていくことに決め、ほかのおもちゃは屋根裏に仕舞っておこうと考える。しかしそこで手違いが起こり、おもちゃたちはゴミ捨て場へと持っていかれることになる。

 きわどいところでなんとか窮地を脱するおもちゃたちだったが、「サニーサイド保育園」という施設に寄付されることに。そこは一見大勢の子どもたちと触れ合える楽園だったが、思わぬ波乱が待ち受けていた……。

 この物語のなかで大きな軸となっているのは、ウッディをはじめとしたおもちゃたちとアンディとの別れだ。彼らはこれまでずっと一緒に生きてきたが、人間であるアンディは日々成長していき、もうおもちゃで遊ぶ年齢ではなくなってしまった。そこで自分の居場所を失ったおもちゃたちは、アイデンティティの危機に襲われる。

 同作に登場するおもちゃの大半は、自分の存在意義を「子どもを喜ばせること」だと考えている。しかし人間が成長し、大人になることは避けられない。つまりどれだけ強い絆で結ばれていると信じていても、いずれは別れの日が絶対にやってくるということだ。

 『トイ・ストーリー3』が多くの人の感動を呼ぶのは、シリーズを通して描かれてきたこのテーマに対して、真正面から向き合っているからだろう。そこで示された着地点は、一言でいうと“別れと成長”だった。

 アンディは物語の結末において、自分が大切にしてきたおもちゃを小さな女の子・ボニーに託すことを決める。そこで口にする「みんなのこと大事にするって約束してくれるかな? 僕の、宝物なんだ」という言葉には、アンディとウッディたちの絆がはっきりと示されている。

 アンディはおもちゃを手放すことにしたものの、彼らとの思い出を忘れてはおらず、むしろその想いを大切にするためにこそ“誰かに託す”という選択肢を選んだ。だからこそウッディたちも大好きだったアンディとの別れを受け入れたのだ。ウッディが自分たちのもとを去っていくアンディに対して、「あばよ、相棒」と呟くところは、シリーズ屈指の名シーンだろう。

 アンディとウッディは、お互いに別れを受け入れ、先に進むことを決断することで精神的な成長を果たした。それは自立した大人になったということでもある。

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