『日本三國』の過酷な世界はなぜ“地続き”に感じられるのか 近未来日本の“嫌な説得力”
もう一つは、躊躇のない残酷描写。
主人公の妻・小紀は税吏に意見したことが原因で斬首されてしまうのだが、税吏と平殿器の傍若無人な態度には、とても不快なものがある。同時に文明が崩壊した日本では、ここまで人が残酷になるということが、これでもかと描かれており、本作の舞台がどれだけ過酷な世界なのがはっきりと提示されていたと言える。
もちろんこの二つの要素は物語の前提となる導入部である。
『日本三國』が描きたいのは、近未来の日本を舞台にした『三国志』のような英雄戦記であり、天才的な頭脳で軍師として上がっていく三角青輝の姿である。
青輝は妻を殺された瞬間に激しい怒りを抱くが、ここで復讐心に身を任せて税吏と平殿器をその場で殺しても、何も変わらないと踏みとどまり、税吏が処刑されるように言葉巧みに平殿器を説き伏せる。
膨大な知識に裏付けされた優れた分析能力と巧みな話術を持ち、大きな理想に向かって行動するヒーローとして青輝は描かれる。
日本滅亡後の残酷な世界を、ポップな味付けで見せるグロテスクな世界観に胸焼けするものを感じながらも、終始目が離せないのは、青輝が知性を武器に立ち向かう姿が痛快だからだろう。
第11話。大和国と聖夷国の戦争が激化する中、ついに三角青輝が歴史の表舞台に躍り出る。
大和帝・藤3世に青輝が進言した、偽装撤退からの伏兵戦法という「島津の釣り野伏せ」が採用され、大和軍が撤退すると見せかけ、織田のゴーストタウンの廃車置き場へと誘い込み、聖夷軍を一網打尽にすることを目論む。
天才軍師・三角青輝は、この残酷な世界を知性によって統べることができるのだろうか? 最後までじっくり見届けたい。
■放送・配信情報
TVアニメ『日本三國』
Prime Videoにて、毎週日曜21:00より世界最速配信中
TOKYO MX・BS日テレほか各局にて、毎週月曜24:00より放送中
キャスト:小野賢章(三角青輝役)、福山潤(阿佐馬芳経役)、瀬戸麻沙美(東町小紀役)、山路和弘(龍門光英役)、中村悠一(賀来泰明役)、長嶝高士(平殿器役)、木村太飛(藤3世役)、津田美波(輪島桜虎役)、堀内賢雄(閉伊弥々吉役)、梅田修一朗(長尾武兎惇役)、咲野俊介(九羅亜輝威役)、村瀬歩(平殿継役)、潘めぐみ(ナレーション)
原作:松木いっか『日本三國』(小学館『マンガワン』連載)
監督:寺澤和晃
シリーズ構成:内海照子
キャラクターデザイン/総作画監督:阿比留隆彦
美術監督:田村せいき
色彩設計:小針裕子
撮影監督:木舩颯人
2D/特効:加藤楓菜
筆文字:桐山琴羽
編集:今井大介(JAY FILM)
3D監督:小川耕平
音響監督:はたしょう二
音響効果:出雲範子
音響制作:サウンドチーム・ドンファン
音楽:Kevin Penkin
OP主題歌:キタニタツヤ「火種」
ED主題歌:Leina「誓い」
制作:スタジオカフカ
製作:日本三國製作委員会 Co-produced with Amazon MGM Studios
©松木いっか/小学館/日本三國製作委員会
公式サイト:https://www.nipponsangoku.com
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