『風、薫る』とあわせて観たい”明治作品”5選 『るろうに剣心』『破戒』『北の零年』など
NHK連続テレビ小説『風、薫る』では、明治時代の医療や看護の現場が描かれている。看護という職業がまだ十分に知られていなかった時代に、凛(見上愛)と直美(上坂樹里)が新しい道を切り開いていく本作では、病に苦しむ人々の暮らしや、医療にたどり着くまでの難しさも印象的に描かれている。
明治時代というと、文明開化や西洋文化の流入、レトロな街並みの華やかさを感じる時代の人も多い。
『破戒』
まず選びたいのが、島崎藤村の同名小説を映像化した『破戒』時代だ。原作は1906年に発表された長編小説で、1948年に木下惠監督、1962年に市川崑監督によって映画化され、2022年には前田和男監督、間宮祥太朗主演で60年ぶりに映画化された。
主人公の瀬川丑松は、小学校の教員として働きながら、自分が被差別部落出身であることを隠して生きている。
『破戒』の魅力は、社会的なテーマを扱いながらも、瀬川丑松という一人の青年の揺れに深く寄り添っているところにある。 教員としての誇り、尊敬する人物への思い、自分の生まれを知られることへの恐れ。 その葛藤を通じて、明治という時代の「新しさ」の裏に残っていた人々の線引きが上がっている。
『北の零年』
行定勲監督の『北の零年』も、明治という時代の厳しさを、暮らしの側から描いた作品だ。 物語の舞台は明治初期。 淡路島の稲田家臣たち、明治政府の命によって北海道への移住をされる。 新しい土地で生活を立てる直視する人々の前にあるのは、希望だけではない。 厳しい自然、慣れない土地、先の見えない暮らしが広がっている。
『北の零年』で描かれるのは、時代の変化によって住む場所も暮らしも大きく変えられ繰り返された人々の切実さだ。現代であれば、住む場所を変えることは転職や進学、家族の都合など、個人の選択として語られることも多い。明日の土台を一つから作り直しものだ。食べるものを確保し、住む場所を整え、家族を守りながら、の暮らしをどうつなぐか。文明開化や近代化という言葉の向こうに、心配日々の不安があったことを、『北の零年』はまっすぐ、そして痛切に描いている。