推し活と信者ビジネスは紙一重? 『銀河の一票』『るなしい』などから紐解く

 『銀河の一票』(カンテレ・フジテレビ系)が毎週おもしろい。ある日突然与党幹事長である父からクビを言い渡された元秘書の茉莉(黒木華)が、スナックのママ・あかり(野呂佳代)と東京都知事選に挑む物語だ。

『銀河の一票』©︎カンテレ

 いわば政界へ復帰したい茉莉の下心(?)から始まった無謀すぎるビッグプロジェクト。だが、あかりという人を知るたびに、彼女のような人にこそ、国の未来を託したいという想いが募ってゆく。生活困窮者への支援策は票につながりにくいとされる選挙戦のなかで、24%いる非課税世帯に目を向けた彼女のような人なら、「上ではなく、前に立って明るい方へ導く政治」を実現してくれるのではないかと夢を見てしまう。

『銀河の一票』©︎カンテレ

 こんな時代だからだろうか。ときに茉莉とあかりの関係性は“推し活”を彷彿とさせる。茉莉の溢れんばかりの想いを乗せて、あかりは都知事への道を駆け上がろうとしているのだから、そもそも「選挙」と「推し活」がわりと近しい構図なのかもしれない。実際の選挙で、若い世代に関心を持ってもらおうと「推しだと思って投票しよう」みたいな働きかけをするメディアもいる。茉莉の幼なじみである人気若手議員の日山流星(松下洸平)と彼に熱狂する支援者たちの様子は、まさに「推し」と「ファン」そのものだ。

 しかし、誰かを“推す”熱量が、やがて“信仰”へと変容することもある。その境界線はどこにあるのだろう。

『地獄に堕ちるわよ』Netflixにて世界独占配信中

 宗教や信仰を直接描いた作品ではないが、現在Netflixランキングの上位を席巻している『地獄に堕ちるわよ』では、細木数子(戸田恵梨香)の霊感商法まがいの手法に、多くの人々が傾倒していく。彼女が人々の心を真に掴んだのは、未来をズバリ言い当てるような特殊能力ではなく、歯に衣着せぬ言葉の裏側にあった“寄り添い”だった。

 何者でもない男2人が金儲けのために新興宗教を始める『仮想儀礼』(NHK BS)でも、寄り添いや共感が“信仰”への入口として描かれていた。元都庁職員の正彦(青柳翔)は、都民の悩みやクレームに日々向き合ってきた経験から、とにかく傾聴力が高い。特別な教えを説いているわけではないのだが、その誠実な言葉は孤独な人々の拠り所となり、やがて正彦が教祖を務める聖泉真法会は巨大宗教法人へと成長してゆく。

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