『風、薫る』過酷なオペナース修行がスタート 『時すでにおスシ!?』でも光る猫背椿の存在感

 5月26日放送の『風、薫る』(NHK総合)第42話では、りん(見上愛)と直美(上坂樹里)が緊急手術の介助に入った。

 りんが千佳子(仲間由紀恵)の看護を担当したことで、帝都医大病院の「看護婦による手厚い看護が受けられる」という評判が広まった。看護の知識を学んだ実習生は、医師からも一目置かれるようになった。外科助教授の藤田(坂口涼太郎)は、看病婦に「看護婦見習生たちに看護の仕方を教わるように」との院長の意向を伝える。

 それを快く思わないのは看病婦たちだ。自分たちの方が病院や病人のことは知っているという自負があるのだろう。ヨシ(明星真由美)のように、しのぶ(木越明)にきつく当たる者もいた。それとは別に、りんは看病婦に対して違う思いを抱いていた。千佳子の手術で、てきぱきと介助するフユ(猫背椿)の姿を目にして、自分も介助ができるようになりたいと思ったのだ。

 第9週「看病婦とアメ」は、オペナース初級編として位置づけられる。看病婦で一番の古株のフユは、直美に言わせると「感じ悪いし、患者に対してぞんざい」で、看護婦見習いにもそっけなかった。

 看病婦はなぜ看護婦見習いに冷淡な態度を取るのか。新しい職業への羨望や抵抗感があったかもしれない。りんと直美や同期の看護婦見習いの会話では、看病婦が置かれた社会的地位への言及があった。病人とじかに接する看病婦は見下されており、生活が苦しい者も多くいること。それを裏づけるように、夜半まで家事をするフユの姿が映される。

 りんと直美は、外科教授の今井(古川雄大)に命じられ、緊急手術に参加することになった。未経験のままいきなり現場に投げ込まれる。苛酷すぎるが、病院側はりんたちにその場にいてくれればいいという考えで、同席させたのは、華族や政治家の評判を考慮してのことだった。

 りんは、あらためて手術介助を身に付けたいと決意。フユに「手術室でも仕事ができる看護婦になりたいんです」と言って、手術介助を教えてくれるように頼む。しかし、返ってきたのは「いいよ、お金くれたらね」という想定外の要求だった。

 フユを演じる猫背椿は、劇団「大人計画」に所属。これまで多数の映像作品に出演してきたが、朝ドラ出演は『ちゅらさん』(NHK総合)以来である。今期クールでは『時すでにおスシ!?』(TBS系)で、スナックのママ小宮山蘭子を演じている。同作では、スナックに来店するみなと(永作博美)や泉美(有働由美子)たち同世代のトークが、絶妙なアクセントになっている。

 フユというキャラクターには看病婦として働く背景があり、それが普段のふるまいにも影響しているのだろう。個人的に、猫背椿は「この人が出るなら大丈夫」という作品の品質保証を担っており、ドラマの安定感を増す上で欠かせないバイプレイヤーだ。猫背が演じるフユは、りんの導き手になれるだろうか?

■放送情報
2026年度前期 NHK連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:見上愛、上坂樹里
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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