『風、薫る』とあわせて観たい看護師ドラマ3選 『ナースのお仕事』『Ns'あおい』など

『となりのナースエイド』

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 近年放送された作品では、川栄李奈主演で2024年に放送された『となりのナースエイド』(日本テレビ系)も、近年の医療ドラマを語るうえで外せない作品だろう。タイトルに“ナース”とあるが、主人公が担うのは看護師ではなくナースエイドという点も、本作の大きな特徴だ。医療行為は行わず、患者の食事や入浴の介助、ベッドメイキング、身の回りの世話などを担当する仕事であり、医療現場の中でも患者の生活に近い場所に立つ存在として描かれている。

 川栄演じる桜庭は、新米ナースエイドとして病院で働き始める。医師や看護師のように直接治療を行う立場ではないが、患者のすぐそばにいる存在として、日々の不安や小さな変化に気づいていく。病室で過ごす患者にとって、体を起こすこと、食事をすること、不安を聞いてもらうことは、治療と同じくらい大切な時間でもある。本作は、そうした医療現場の日常を支える仕事に光を当てている。

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ちょうど1年前に放送されたあの『となりのナースエイド』(日本テレビ系)が、スペシャルドラマ『となりのナースエイドSP2025』と…

 医療ドラマでは、どうしても手術や診断、救命の場面に注目が集まりやすい。だが、患者の入院生活は、ドラマチックな瞬間だけで成り立っているわけではない。身の回りを整え、声をかけ、生活を支える人がいるからこそ、患者は病院で過ごすことができる。『となりのナースエイド』は、その当たり前に見過ごされがちな仕事を物語の中心に置いた作品として、医療現場で人を支えることの大切さを、また違った角度から伝えている。

 『風、薫る』は、ナース/看護師を描いてきた映像作品の流れを、明治時代から見つめ直す作品でもある。いまでは医療現場に欠かせない存在として知られている看護師だが、その仕事が社会に広く理解されるまでには長い時間があった。

 本作で描かれるりんと直美は、まさにその始まりの時代を生きる人物だ。りんと直美は、まだ立派な看護婦として完成された存在ではないが、それでも目の前の患者と向き合おうとする姿には、看護という仕事の原点がある。これから2人がどんな壁にぶつかり、何を学び、どのように自分たちの看護を見つけていくのか。その過程こそが、『風、薫る』をさらに厚みのあるお仕事ドラマへと押し上げていくだろう。朝ドラをきっかけに看護という仕事に興味を持った人は、今回紹介した作品にも触れてみると、その魅力をまた違った角度から味わえるはずだ。

■放送情報
2026年度前期 NHK連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:見上愛、上坂樹里
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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