『風、薫る』とあわせて観たい看護師ドラマ3選 『ナースのお仕事』『Ns'あおい』など

 NHK連続テレビ小説『風、薫る』で、りん(見上愛)と直美(上坂樹里)が看護婦を目指す物語が本格的に動き出した。養成所で学びを重ねてきた2人は、いよいよ看護見習生として帝都医科大学付属病院での実習がスタートし、ここにきてお仕事ドラマとしての見応えを増してきている。

 患者にどう声をかけるのか。先輩たちの中で、どう動けばいいのか。目の前の人を助けたいという思いを、仕事としてどう形にしていくのか。『風、薫る』は、看護という仕事が社会に根づいていく時代を背景に、若い2人が戸惑い、悩みながら成長していく姿を映し出している作品だ。そこで今回は、ナース/看護師、そして医療現場で患者を支える人々を描いた映像作品を振り返っていきたい。

『ナースのお仕事』

 看護師ドラマの代表格として外せないのが、観月ありさ主演の『ナースのお仕事』シリーズ(フジテレビ系)だ。1996年に第1シリーズが放送され、その後もシリーズ化、映画化された人気作。観月演じる朝倉いずみと、松下由樹演じる先輩ナース・尾崎翔子のコンビを中心に、病棟で起こる騒動や人間関係をコミカルに描いた作品だ。

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 朝倉は、決して優秀で完璧なナースではない。むしろ失敗も多く、先輩に叱られる場面も多い。それでも患者のために一生懸命動き、病棟の中で少しずつ成長していく。ドタバタとしたコメディの中に、看護師として働くことの大変さや、人と向き合う仕事ならではの温かさが込められている。

 本作の魅力は、看護師という職業をお茶の間にとても身近なものとして届けたところにある。筆者自身も幼い頃に本作を観て、病院で働くナースという存在を初めて意識した記憶があるが、本作は病院という場所を、深刻な医療ドラマの舞台としてだけでなく、笑いも涙もある人間関係の場として描いた。時代もトーンも大きく違うが、未熟な主人公が現場で叱られ、悩みながら成長していく姿には、りんや直美の歩みとも通じるものがある。

『Ns'あおい』

 石原さとみ主演で2006年に放送された『Ns'あおい』(フジテレビ系)は、看護師のまっすぐさと現場のルールがぶつかる職業ドラマだ。主人公のあおいは、救命救急センターに勤務していた看護師。ある出来事をきっかけに、系列病院の内科病棟へ異動することになる。

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 あおいは、患者に対してとてもまっすぐな看護師だ。目の前の患者のために何ができるのかを考え、自分なりに行動する。しかし、その思いは時に、病院の体制や医師の判断、看護師としての立場とぶつかっていく。患者を救いたいという気持ちは大切だが、医療現場は個人の感情だけで動ける場所ではない。患者に寄り添うには、優しさだけでなく、知識や経験、その場で判断する力も求められる。チームの中でどう動くのか、医師や同僚とどう連携するのか、患者とどの距離で向き合うのか。あおいの奮闘を通して、看護師という仕事の難しさが見えてくる。その理想と現実のせめぎ合いが職業ドラマとしても見応えがある作品だった。

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