加藤清史郎、“子ども店長”から“怪演俳優”へ 『君が死刑になる前に』で放つ緊迫感

 4月2日より放送がスタートした『君が死刑になる前に』(読売テレビ・日本テレビ系)で、地上波ドラマ初主演を務める加藤清史郎に注目が集まっている。

 加藤清史郎がなぜ今、サスペンス作品で強い存在感を放つのか。その理由を、彼のキャリアの歩みと演技の変化から深掘りしていく。

 2009年ごろ、加藤はトヨタ自動車のCMできりっとした表情で大人顔負けの店長を演じ、その堂々たる姿が大きな話題を呼んだ。「子ども店長」の魅力は、母親役の飯島直子が姿を見せた瞬間、「ママー」と弾む声で駆け寄るキュートな姿だ。ママの一声で「あどけない子ども」の表情へ切り替わるギャップが強烈なインパクトとなり、彼の名を一躍広めるきっかけとなった。

 その後、映画『忍たま乱太郎』で主人公・猪名寺乱太郎を好演したのち、加藤はドラマや映画への出演を重ねながら、子役から俳優へと着実にステップアップを果たしていく。あどけなさの中にふと滲む「大人の表情」が見え始めたのも、ちょうどこの頃だろうか。

 とくに近年に見せる彼の佇まいは、切れ長の瞳が放つ静かな鋭さや、どこかクールな雰囲気が際立っている。子ども時代の柔らかな面影とはまったく異なる「ぞくりとする美しさ」をまとい始めており、その変化に惹きつけられる新たな女性ファンも増えている印象だ。

 加藤が、長く安定した活動を続けてこられた背景には、映像作品だけではなく、舞台で積み重ねてきた経験がある。『未来少年コナン』や『デスノート THE MUSICAL』などの舞台作品に挑み続けてきたことで、幼少期よりも声の通りが格段に良くなり、目の奥に宿る鋭さも磨きがかかる。

 舞台は、一瞬の油断も許されない世界だ。観客の息づかいや歓声を目の前にしながら演じる環境は、臨場感や緊迫感が自然と鍛えられていく。だからこそ、サスペンスやミステリー作品に加藤が登場すると、画面越しにも「生々しい緊張感」が伝わってくるのかもしれない。

 ドラマ『君が死刑になる前に』は、現在と過去が交錯しながら事件の真相へ迫っていく本格サスペンス。加藤が演じるのは、どこか冴えない日々を送るフリーター・琥太郎だ。

 琥太郎は、仲間たちとともに思いがけずタイムスリップした先で、世間を震撼させた「教師連続殺害事件」の犯人とされる大隈汐梨(唐田えりか)と出会う。そこから彼らは、否応なく事件の真相を追うことになる。

 指名手配犯であるはずの汐梨は、凛(与田祐希)に「あなたが連続殺人犯なのか」と問い詰められても、澄んだ瞳のまま「私は、殺していません」と訴える。その穢れのない眼差しを前に、琥太郎は淡々とした声で「誰にも信じてもらえなかった絶望を、僕は知っている」と告げる。

 そう言いながらも、彼の表情には混乱と恐怖が静かに入り混じっていた。切れ長の瞳が放つ鋭さと、口元に浮かぶわずかな歪みが重なり合い、画面越しにも張りつめた空気がひしひしと伝わってくる。

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