髙石あかり、鳴海唯、北香那、白石聖 NHKから次世代ヒロインが誕生し続ける理由

 たとえば鳴海唯は、そうしたNHKの秘蔵っ子といっても過言ではない。広瀬すずに憧れて芸能界を目指した鳴海は、2018年の映画『ちはやふる』ではまだエキストラだったが、2019年には無名のまま朝ドラ『なつぞら』(NHK総合)に抜擢されている。広瀬の妹役として存在感を示した後、2023年には『どうする家康』(NHK総合)で大河ドラマに初出演。そして2025年に、村上春樹の短編を原作とするオムニバスドラマ『地震のあとで』の「アイロンのある風景」で主演を果たす。同年後半には朝ドラ『あんぱん』(NHK総合)にも出演し、ヒロインの新聞記者仲間・小田琴子役を好演した。さらに、2026年1月のドラマ10『テミスの不確かな法廷』(NHK総合)に出演したのは記憶に新しい。真っ直ぐな正義感をもつ弁護士・小野崎乃亜役で、松山ケンイチ演じる自閉スペクトラム症の安堂清春裁判官と応酬していた。その演技には、NHKドラマでしっかりと育てられた揺るぎない力を感じた。

鳴海唯、出演作が途切れない中で考えていること 「“仕事を楽しむ”ことを忘れたくない」 

NHKドラマ10『テミスの不確かな法廷』がスタートした。本作は、発達障害(ASDとADHD)を抱える裁判官・安堂清春(松山ケンイ…

 また、大好評のうちに幕となった朝ドラ『ばけばけ』(NHK総合)のヒロイン・髙石あかりは、2021年からの映画『ベイビーわるきゅーれ』シリーズが人気となっていたが、まだ当時は知る人ぞ知る存在だった。2023年にNHKの夜ドラ『わたしの一番最悪なともだち』(NHK総合)で主人公の宿敵のような大学生を演じたことが、テレビドラマへの本格的な進出となった(ちなみにこのドラマの主人公は、朝ドラ『おかえりモネ』でヒロインの妹役を演じた蒔田彩珠である)。そして、2025年、2892人が応募したオーディションで、審査員の満場一致によりヒロインの座を射止めることになる。『ばけばけ』もまた、従来の朝ドラとは一線を画す斬新なドラマだった。その脚本を担当したふじきみつ彦は、髙石について「正直言うと、オーディションの時に、ここまで、こんなにすごい方だとは思ってなかった、と言うと失礼になっちゃうかもしれないですけれど、文字通り“ばけ”てくれた、という気がしていて」(※2)と語っており、ドラマを通じて髙石が成長したことを示唆している。

 「NHK出身の女優は期待できる」という声が視聴者の間で広がっているとすれば、その公共性が、結果として、若手俳優が開花する場になっているからなのかもしれない。だとすれば、これからも、民放法にはない骨太なドラマづくりで、新しい才能を輩出してくれることを願いたい。

参照
※1. https://gendai.media/articles/-/135399
※2. https://news.livedoor.com/article/detail/30433480/

■配信情報
2025年度後期 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
NHKオンデマンド、NHK ONEにて配信中
出演:髙石あかり、トミー・バストウ、吉沢亮、岡部たかし、池脇千鶴、小日向文世、寛一郎、円井わん、さとうほなみ、佐野史郎、北川景子、シャーロット・ケイト・フォックス
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
写真提供=NHK

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