髙石あかり、鳴海唯、北香那、白石聖 NHKから次世代ヒロインが誕生し続ける理由
白石聖、北香那、鳴海唯、木竜麻生、髙石あかり……。近年飛躍を果たした若手女性俳優を挙げてみると、彼女たちがいずれもNHKのドラマで頭角を現していることに気がつく。実際、新人俳優を輝かせるのはNHKの得意技ではある。最も顕著なのは、連続テレビ小説こと朝ドラだ。オーディションを通してヒロインを決定し、半年にわたって国民的な人気者にするという役割を長きにわたって担ってきた。
それにしても、なぜここまでNHKドラマから新人俳優が育っていくのだろうか。1つには、やはり公共放送であるということが大きいだろう。スポンサーを持たず、商業的なしがらみから切り離したドラマ制作ができるため、革新的な試みや新人起用がしやすいという面はありそうだ。
一方で、NHKの制作するものには、テーマの公共性や、今やるべきドラマなのかといった、大義名分が求められるという側面もある。『虎に翼』(2024年度前期/NHK総合)のようなジェンダー問題に切り込んだ作品や、『団地のふたり』(2024年/NHK BS)のような50代女性を扱った作品など、民放では扱いづらいテーマにも果敢に挑戦しているが、それは、そうすることが義務でもあるということかもしれない。
編成担当の手塚有紀氏は、「NHKらしさ」について、こう述べている。「NHK大阪局制作のマイノリティーをテーマにしたEテレの福祉番組『バリバラ』の中の、『障害のある人が俳優になれるか』というテーマの放送回をきっかけに土曜ドラマ『パーセント』(2024年、伊藤万理華主演)に繋がりました。ドラマを作るグループだけでなく、地域局も含めて様々な部署がありお互いに協力しあえることは、間違いなくNHKならではの強みだと思います」(※1)。マイノリティーや地方への視点といったことは、公共放送として外せないポイントだと言えるだろう。
また、公共放送だからこそ、良質なコンテンツを生み出すことが使命でもある。よく「NHKが攻めてる」といったこともいわれるが、番組の質の高さ、芸術性すら求められることを考えれば、革新的なドラマを作ることは必然だとも言える。特に、夜ドラやBSプレミアムドラマといったドラマ枠では顕著である。今までにないニッチなテーマを扱ったり、映像作品として実験的なドラマが作られたりすることも多く、海外のコンクールで受賞することも少なくない。
こういったNHKの特徴を踏まえれば、出演する俳優に求められるものも、民放とは少し違ってくるだろう。視聴率がとれる「アイドル的人気」よりも、実力や演技力が求められるのは当然かもしれない。また、そういった逸材を発掘し育てることも、公共放送の役割とも言える。そうして、若手俳優がアイドル的に消費されることなく、実力を獲得できる場になっているのかもしれない。