『未来のムスコ』は“未来”へと受け継がれる“愛”の物語 「だんない」をいつまでも胸に

小さくて大きな立役者、天野優が表現した「優しさ」

 そして最後に、このドラマを語る上で欠かせないのが颯太の存在である。

 最終回では、颯太が5歳になるまで、そして2026年にタイムスリップして、また元いた世界に戻ってくるまでがダイジェスト的に描かれた。そこでの颯太は、未来から“だんない”という魔法の言葉を授かり、未来が周囲の人たちに、そして周囲の人たちが未来にそうであったように、優しさと温かさを両立させたような子へと育っていく姿が印象的だった。きっと、道ゆくカップルであり、颯太の本当の両親でもある2人が仲直りできたのも、颯太が周りから受け継いだ優しさとポジティブさゆえだろう。

 そんな颯太を演じた天野優の将来も楽しみである。ずっと前向きで笑顔を振り撒く姿、その一方で時折爆発させる寂しさなどの喜怒哀楽をリアルに表現していた印象で、彼を観ているだけで物語の中にぐっと入り込めた。「自分が未来の立場なら、こんなとき颯太になんと声をかけるだろう」と想像させる吸引力があった。

 少し話はずれてしまうが、2026年4月期は加藤清史郎、鈴木福、畑芽育、志田未来が主演を務めたり、月9の主演を少年期に『みんなのうた』(NHK)で一躍有名になった北村匠海が務め、さらにその作品には神木隆之介が出演したりと、“あの頃”活躍した子役たちがドラマのキーマンを担うという事実に注目している。きっと天野も近い将来、そして遠い未来で、ドラマに新しい形で関わっていくことだろう。

 そういうことを考えると、結末を知った今だからこそ、このドラマを見返したいとすでに思っている。そしてそれは、将来自分がマイナスモードに入ったとき、子どもとの関わり方を考えるフェーズに入ったとき、あるいは出演者たちの少し前の活躍を見たくなったときなど、きっかけはたくさんありそうな予感がする。

 どうか長く未来へと受け継がれていく作品でありますように──。このドラマに魅了され続けた3カ月を過ごしたからこそ、心からそう願う。

火曜ドラマ『未来のムスコ』

恋も仕事も夢も中途半端だった主人公がある日突然母となり、子育てを通して、誰かと生きること、支え合うことの意味を知り、自分らしく生き直していく姿を描く。

■配信情報
火曜ドラマ『未来のムスコ』
TVer、U-NEXTにて配信中
出演:志田未来、塩野瑛久、小瀧望、兵頭功海、天野優、吉村界人、箭内夢菜、萩原護、ビビる大木、藤原さくら、板倉武志、難波なう、西野七瀬、マキタスポーツ、神野三鈴、水瀬いのり(声の出演)、淵上泰史
原作:阿相クミコ・黒麦はぢめ『未来のムスコ~恋人いない歴10年の私に息子が降ってきた!』(集英社『ヤンジャン+』連載)
脚本:ニシオカ・ト・ニール、いとう菜のは
プロデューサー:天宮沙恵子、松本明子
演出:井村太一、古林淳太郎、泉正英
主題歌:秦基博「ポケットに魔法を入れて」(UNIVERSAL MUSIC/AUGUSTA RECORDS)挿入歌:Hi-Fi Un!corn「SUPER DUPER」(Sony Music Labels)
製作:TBSスパークル、TBS
©TBSスパークル/TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/mirainomusuko_tbs/
公式X(旧Twitter):@mirai_musukotbs
公式Instagram:mirai_musuko_tbs
公式TikTok:@mirai_musuko_tbs

関連記事