『リブート』に視聴者が惹きつけられる理由とは? 急展開と“日曜劇場らしさ”の両立

 また第8話では、一香の正体が死んだはずの早瀬の妻・夏海で、彼女もまた家族を守るためにリブートしたことが明らかとなる。本物の儀堂の登場と、夏海が一香にリブートして生きていたという展開は、ある程度は想像していた。しかしどちらも最終話で出てきてもおかしくない大ネタであり、それを視聴者の予想よりも2歩、3歩先に出してきたことに何より驚かされた。

 こう書くと『リブート』は、視聴者の関心を引っ張ることだけを考えたテクニカルでクールな作品に聞こえるかもしれない。だが、本作から受ける印象は真逆で、技巧を凝らした考察ドラマでありながら、日曜劇場らしい熱いヒューマンドラマとなっている。

 それは、早瀬が家族を守ることを第一に考えて常に行動しているからであり、夏海もまた、家族を守るためにリブートしたことが明らかとなったことで、家族の物語としての側面が強まっている。

 そして、一香(夏海)の心情がはっきりしたことで、各登場人物の行動原理のほとんどが、家族を守るための自己犠牲だったことがはっきりとしたといえる。

 本作はクライムサスペンスで、劇中に登場する裏社会や闇バイトの描き方はとても殺伐としており、人の命もあっさりと奪われる。

 そんな『リブート』がギリギリのところで日曜劇場らしい温かさを保っているのは、多くの登場人物が「家族を守る」ことを第一に考えているからだろう。

 特に早瀬家のエピソードは、ケーキと絡んだ温かい話となっており、過酷な描写が続く本作の中で大きな救いとなっている。

 だが、第8話で悪役としての存在感が一気に増した合六亘もまた、食事にこだわりのある家族思いの父親として描かれている。

 料理を好み家族を大切にしている父親という意味において早瀬と合六は表裏一体の存在だ。そのため最終章は、合六をどう描くかが一番の見どころだといえる。

 クライムサスペンスとしての結末にも注目だが、父と家族のヒューマンドラマとしての『リブート』がどこに着地するのかも、最後まで見届けたい。

日曜劇場『リブート』

妻殺しの濡れ衣で逮捕されたパティシエの早瀬陸は、悪徳刑事・儀堂歩に追い詰められ、真犯人を見つけ出すため、家族と過去を捨てて儀堂の顔に変わり“リブート”を決意する。

■放送情報
日曜劇場『リブート』
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:鈴木亮平、戸田恵梨香、永瀬廉(King & Prince)、蒔田彩珠、中川大輔、藤澤涼架、与田祐希、上野鈴華、藤田ハル、矢崎滉、野呂佳代、塚地武雅(ドランクドラゴン)、津田篤宏(ダイアン)、伊藤英明、山口紗弥加、池田鉄洋、酒向芳、黒木メイサ、原田美枝子、北村有起哉
脚本:黒岩勉
音楽:大間々昂、木村秀彬
主題歌:Mr.Children「Again」(TOY'S FACTORY)
プロデュース:東仲恵吾
協力プロデュース:國府美和
演出:坪井敏雄、田中健太、元井桃
製作著作:TBS
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/REBOOT_tbs/
公式X(旧Twitter):@reboot_tbs
公式Instagram:reboot_tbs
公式TikTok:@reboot_tbs

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